子どもが多すぎ「詰め込み学童」 骨折で半日放置された子も… 質の改善が急務です
須藤恵里 (2023年4月16日付 東京新聞朝刊)
嘆く支援員 毎日、声を張り上げて
「受け持つ子どもが多すぎて、気になっている子や親がいても声掛けすらできない」「親身に関われれば虐待を防げるケースもあるかもしれないのに…」
3月、読者からの情報をもとに、子どもたちが基準を超えて教室に詰め込まれている学童保育の現場を取材、「ニュースあなた発」の記事にしました。現場の支援員らは、切実な思いを抱えながら働いていました。
過密すぎて、職員たちは毎日声を張り上げて子どもたちと接していると言います。「そんな『生活の場』って、おかしくないですか?」。支援員は問い掛けます。
低い処遇 支援員が足りない学童も
学校の参観日で、利用する子が通常の3分の1ほどと少なかった日。普段、1人では座っていることも難しい特別な支援が必要とされていた子が、支援員が寄り添う時間を持てたところ、それまでできなかった宿題をじっくりじっくり終わらせることができたそうです。「職員がやりたい子どもたちのケアって、こういうこと。でも、子どもの思いも私たちのやりがいも、ないがしろにされています」。別の支援員の話です。
支援員の処遇の悪さと、なり手不足の問題もあります。給料は家庭を持てる水準でなく、支援員が集まらない。欠員状態のまま運営している学童保育もあると言います。人材不足のあおりを受けるのは子どもです。けがをしたのに半日放置され、腫れ上がった足首は骨折していたという経験を持つ親は「そんな環境に子どもを預けていることにがくぜんとした」と打ち明けます。質の改善が急務です。
(5月8日追記)たくさんのコメント、ありがとうございます。みなさんの声を受けて、背景や改善すべき点について取材しました。こちらの記事です。
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