上尾市図書館に視覚障害やディスレクシアの人向けコーナー 「今まで本が読めなかった人に、読書の楽しみを」
藤原哲也 (2023年6月13日付 東京新聞朝刊)
視覚障害やディスレクシア(読み書き障害)など特別な配慮が必要な人向けの図書コーナー「りんごの棚」が6日、上尾市図書館(同市上町)に登場した。点字本やピクトグラム(絵文字)などを使って分かりやすく書いた「LLブック」などが豊富にそろう。
スウェーデン発祥「りんごの棚」
りんごの棚はスウェーデン発祥の障害のある子ども向け図書コーナーで、埼玉県内の公立図書館でも複数の導入事例がある。上尾市では2019年施行の「読書バリアフリー法」の理念を踏まえて県内で初めて全世代を対象とし、大人も楽しめるオーディオブックや触って鑑賞できる美術本なども並べた。
総資料数は約110点。実際に触って立体物の形を学べる点字教材や、立体的な絵の形に触れながら点字解説も楽しめる名画集、各種デジタル本に加え、障害を理解するための本や保護者向けの子育て本もある。9月以降は団体向けの貸し出しセットを用意する。
山内正博館長は「今まで本が読めなくて図書館に興味がなかった人たちに、読書の楽しみを伝えて喜びを届けたい」と話している。
開館時間は午前9時~午後7時。月曜休館。問い合わせは、上尾市図書館=電話048(773)8521=へ。
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