〈えほん〉「たびにでよう」作・降矢なな

(2023年9月6日付 東京新聞朝刊)
写真 絵本「たびにでよう」

(長壁綾子撮影)

 たびにでよう たびにでよう-。

 木に実ったリンゴを食べると耳がだんだん大きくなり、いろんな音が聞こえてきた。木イチゴを食べたら鼻が長くなり、そこに鳥たちが止まった。ほっぺの赤い魚が水面から飛び出してきて…。男の子と黒犬の不思議な冒険のお話。

 スロバキア在住の作者が日本から旅立った1992年に生まれた絵本の改訂新版。ほとんどのページに言葉がなく、奇想天外な出来事がアニメーションのように描かれ、素朴な温かさを感じさせる。新しい世界への期待と不安、希望が込められた物語。思わず旅に出たくなる一冊。

 1430円。童心社=電話03(5976)4181。

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