2018年の子どもをめぐるニュースを振り返る 事件事故からトレンドまで

, , (2018年12月29日付 東京新聞朝刊を再構成)
 2018年は子どもにとってどんな1年だったでしょうか。重すぎるランドセルや中学、高校の部活動の負担を減らす取り組み、子ども食堂や里親制度の広がりなど、子どもたちの環境を良くしようという動きがあった一方、虐待や事故で犠牲になった命も少なくありませんでした。今年1年の子どもにかかわりの深いさまざまなニュースや出来事を振り返ります。(【「結愛ちゃん事件」に学ぶこととは 虐待の専門家へのインタビュー】記事はこちらです)

2018年の主な子どもニュース 1~4月

1月 ・中学・高校の運動部は原則として1日2~3時間程度、週2日以上休みにすることをスポーツ庁が提案。3月に指針策定。文化部も12月に文化庁が同様の指針
2月 ・子どもの使用済みおむつを保護者が持ち帰らず保育所で処理できるよう、東京都豊島区などが予算化→記事はこちら
・東京五輪・パラリンピックのマスコットが全国の小学生の投票で決定。名前は7月に「ミライトワ」「ソメイティ」に
3月 ・東京都目黒区で5歳の船戸結愛ちゃんが虐待を受けて亡くなる
・アルミホイルを丸め、金づちでひたすらたたいて表面をピカピカにする「アルミホイル玉」作りが人気に
・都内の中学校の授業を都議会が取り上げたのをきっかけに、性教育のあり方の議論が活発になる→記事はこちら
4月 ・子ども食堂が広がる。全国で2200カ所超に(「こども食堂安心・安全向上委員会」発表)

<保育所のおむつ持ち帰り問題> 
 保育所で子どもが使った紙おむつは保護者が家に持ち帰るというルールが、一部で習慣化されていました。「衛生的でない」「汚れたおむつを持って買い物に寄れない」という親たちの声がネットで集まり、話題になりました。感染症を広げる懸念があるとの専門家の意見も出て、園が業者に処分を委託するよう見直す自治体が相次ぎました。

<「アルミホイル玉」人気に>
 台所用品のアルミホイルが、丸めて金づちでひたすら叩くことで美しく輝く球体に生まれ変わる。流行の発信源は長野県軽井沢町の金工作家、福田英生さん(47)でした。

からくり人形作家の福田英生さんが作ってブログで紹介したアルミホイル球(福田さん提供)

3月、金工作家の福田英生さんが作ってブログで紹介したアルミホイル玉(福田さん提供)

 3月、アルミホイル1本分(16メートル)をビリヤード球大に仕上げた物をブログで紹介すると、人気ユーチューバーが取り上げ、まねして作ったり夏休みの自由課題として提出したりする子どもが続出。制作キッドも発売されました。

 アルミホイル玉は、からくり人形作品「船を漕(こ)ぐ人」の部品として作ったものでした。「きれいにできたので作品の制作過程としてブログに上げました。反響は予想以上で、海外からも問い合わせがありました。身近な材料で作れるとっつきやすさと、顔が映り込むほどぴかぴかになる達成感が受けたのでしょう」と福田さんは振り返ります。

 アルミホイル玉はもともと、弟が美大生時代に作っていて、印象に残っていたといいます。「市販の金属の球だとかっちりしすぎて、作品に使うには面白みがないんです。ちなみに、弟が作ったものは、私のより100倍きれいですよ」

2018年の主な子どもニュース 5~8月

5月 ・初の「小学生がえらぶ!“こどもの本”総選挙」で「ざんねんないきもの事典」(高橋書店)が1位に
6月 ・里親を知ってもらおうと、リボンのマークを自治体と民間の協議会がつくって発表
・保育所や幼稚園などの利用料を無償にする「幼保無償化」が政府の「骨太方針」に盛り込まれる
・大阪北部地震で大阪府の小4女児が学校プールのブロック塀の下敷きになり死亡
7月 ・動画投稿アプリ「TikTok(ティックトック)」が国内月間総再生130億回を突破するヒットとなり、子どもにも人気に
・愛知県の小1男児が死亡するなど熱中症の被害相次ぐ。学校へのエアコン設置が広がる
8月 ・東京医科大が医学部医学科入試で女子受験生の点数を低く抑える差別をしていた可能性が浮上。文部科学省調査で12月、ほか9大学でも女子や浪人生の不適切な取り扱いが判明→記事はこちら
・厚生労働省が乳児用液体ミルクの規格基準を策定。国内製造、販売が解禁に
江崎グリコが販売予定の液体ミルクのサンプル

江崎グリコが販売予定の液体ミルクのサンプル(8月、乳児用液体ミルクの製造販売が可能に)

<里親普及へ 官民の協議会がリボンのマーク>
 里親制度を知ってもらおうと、6月、千葉市など自治体とNPO法人などでつくる「子どもの家庭養育推進官民協議会」(事務局・日本財団)がリボンのシンボルマークを発表しました。

 里親は、虐待などで親元で暮らせない子どもを一定期間預かり、家族の一員として育てる制度です。日本ではこれまで施設での養育が中心でしたが、国は、子どもが特定の大人との愛着を深めながら成長できるよう、里親など家庭養育中心へ方針転換しました。里親のなり手を増やす取り組みが進んでいます。

子どもの家庭養育推進官民協議会が発表した里親普及のシンボルマーク

子どもの家庭養育推進官民協議会が発表した里親普及のシンボルマーク

<学校のブロック塀の対策進む>
 6月、震度6弱を記録した大阪北部地震で、大阪府高槻市の公立小学校プールのブロック塀が倒れ、小学4年の女児が下敷きになり亡くなりました。塀は高さや構造が法令違反でした。

 文科省が全国調査したところ、小中高校の25%に安全性に問題のあるブロック塀があり、うち2割は高槻の事故後も安全対策がとられていませんでした。国は自治体や各学校などに対策を促し、撤去などが進んでいます。

2018年の主な子どもニュース 9~12月

9月 ・小学生のランドセルが重すぎると問題に。教科書を学校に置いて帰るのを認めるなど対策を取るよう文科省が通知→記事はこちら
10月 ・学童保育の待機児童が過去最多の約1万7000人に(全国学童保育連絡協議会発表)→記事はこちら
・2017年度の小中高校でのいじめ認知件数は41万件、小中の不登校は14万人に。いずれも過去最多(文科省発表)
・東京都港区南青山の児童相談所建設計画に、地元住民が反発。説明会が紛糾→記事はこちら
11月 ・東京都世田谷区で企業主導型保育所が相次いで休園していたことが判明→記事はこちら
12月 ・少女が戦士になって活躍する人気アニメ「プリキュア」に「男の子のプリキュアが登場した」とネットで話題に
教科書やノートなどランドセルに詰め込まれる一日分の勉強道具

教科書やノートなどランドセルに詰め込まれる1日分の勉強道具(9月、ランドセルが重すぎると問題に)

<男の子の「プリキュア」登場?ネットで話題に>
 自分の可能性をあきらめそうになった少年が、主人公の少女たちに励まされて変身し、希望を取り戻す―。少女たちが戦士になって活躍する人気アニメ「HUG(はぐ)っと!プリキュア」(ABCテレビ・テレビ朝日系日曜午前8時半 ※BSS山陰放送は土曜午前11時15分)の12月2日放送の回を巡り、ネットで「男の子のプリキュアが登場し、時代の流れやジェンダー(社会、文化的につくられた性差)にとらわれないストーリーだ」と話題になりました。

 番組ではそれまでも「男の子だってお姫様になれる!」などのせりふが反響を呼んでいました。

少年が変身した「キュアアンフィニ」ⓒABC-A・東映アニメーション

少年が変身した「キュアアンフィニ」ⓒABC-A・東映アニメーション

 この1年、あなたの心に残った子どもをめぐるニュースは何でしたか? 来年も子どもたちの笑顔が広がる年になりますように―。

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