馬といることで笑顔に、気持ちが前向きに 医療的ケア児と家族が碑文谷公園でポニーに乗りました

小野里美保
写真 ポニーと楽しい時間を過ごそう

ポニーに乗る医療的ケア児(右から3人目)。作業療法士らがサポートした(目黒区の碑文谷公園こども動物広場で)

安全な環境で、ポニーと楽しむ

 抱きかかえられた少女(10歳)が車椅子からポニーの背中に乗り移ると周囲のスタッフから歓声があがりました。体にまひがあり自力で座位がとれない状態の彼女が馬に乗れることは貴重な経験。スタッフが後ろから体を支え2人乗りで乗馬し、理学療法士や医療関係の専門家らが寄り添って歩く、など安全面の配慮も万全です。

 これは6月22日に碑文谷公園こども動物広場(東京都目黒区)で行われた「ポニーと楽しい時間を過ごそう♪」という医療的ケア児とその家族のためのスペシャルプログラムで、目黒区の指定管理者として広場を運営する公益財団法人ハーモニィセンター(東京都渋谷区)が企画、医療法人社団のびた(東京都世田谷区)が協力し、目黒区の指定事業として行ったものです。

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馬とふれあって、みんなが笑顔になった

 医療的ケア児である少女は最初は緊張した様子で馬に乗っていましたが、徐々に笑みがこぼれ体全体からうれしさが伝わってきました。次は親が乗馬する番。父親がさっそうと馬に乗る姿に少し驚きながら歓喜する様子も印象的でした。ハーモニィセンター事務局長の金山竜也さんは、「家族の共有体験こそが大事です」と言います。親やきょうだい児たちも一緒に乗馬や馬のエサやりを楽しみ、その場にいる参加者、スタッフ全員が笑顔にあふれたすてきなイベントでした。

子どもにとって第三の居場所に

 この動物広場は、小中学生向けのポニー教室も行っています。乗馬だけでなく、馬のお世話や集団活動での協調性を養います。自分より何倍も大きい馬をお世話し、自己肯定感の向上にもつながっているそうです。学校や家庭で嫌なことがあった、不登校などさまざまな悩みがある子どもも、「ここなら通える」と生き生きと活動する姿もあり、学校でもなく家庭でもない、子どもにとっての第三の居場所になっています。

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引き馬体験は一般利用もできます。対象は中学生以下(就学前のお子さんは保護者のかた同伴)、1回200円

 馬はとても優しい動物です。馬とのふれあいは人の心を開いたり、馬に乗ることで体幹が強くなったりというホースセラピーの効果があると言われています。

 東京すくすくでは、子どもたちに「馬とのふれあい体験」を提供するため、2024年6月のつばさ乗馬苑(埼玉県日高市)、11月の珠洲ホースパーク(石川県珠洲市)に続き、2025年7月には馬事公苑(世田谷区)で「馬のお仕事体験ツアー」を行いました。「馬といること」でみんなが笑顔になり馬の持つ力を実感しています。今後も馬とふれあう企画や情報発信を行っていきます。

都内近郊で手軽に乗馬体験ができる施設のご紹介

ハーモニィセンターでは、東京・神奈川の4つの自治体から計5カ所の広場を、指定管理者として、または委託を受けて運営しています。

■碑文谷公園こども動物広場(今回のイベント会場)
東京都目黒区碑文谷6-9-11

■板橋こども動物園
東京都板橋区板橋3-50-1

■ポニースクールかつしか
東京都葛飾区水元1-19

■上千葉砂原公園ふれあい動物広場
東京都葛飾区西亀有1-27-1

■相模原麻溝公園ふれあい動物広場
神奈川県相模原市南区麻溝台2317-1

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