子どもとテレビを見ていたら性交シーンが…どうする?〈性教育10の悩みに答えます②〉

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 東京すくすくは、開設3周年を記念して、気になるテーマを楽しく学べるオンライン講座を企画しました。第1弾は「性教育」です。講座〈教えて!サッコ先生 性教育10の悩みに答えます〉で取り上げた質問を、記事でもテーマごとに紹介します。小学校高学年の男の子のお母さんからの質問です。

質問2. テレビを見ていたら性交シーンが…。こんな時はどうすればいい?

 小学生の高学年の息子と一緒にいるときに、映画の性交シーンが流れてきました。描かれ方があまり気持ちのよいものではなかったので、母である私の方が「ちょっと消さない?」と不機嫌な感じで伝えてしまいました。性交・セックスに対してあまりよくないもの、というイメージを持たせるのも違うのではないかと思うのですが、こんなときは、どんなやりとりをしたらいいですか?

「3つの性」…目の前のシーンはどれ?

サッコ先生 これはお子さんの年齢によって、違うかもしれない。「高学年」といっても、低学年・高学年と分けたときには4年生も入る。でも低学年・中学年・高学年と分けたときには5・6年生のことを指す。私が学校に行って4年生向けに性教育の講演をする。同じ内容を6年生向けにすることもあるのですが、6年生だと始まる前から「おい、今日、あの話だぜ」と先入観が入ってたりします。4年生、10歳くらいまでは、素直に目をキラキラさせて聞ける。そんな印象です。

 「性」には「3つの性」があるよ。「生殖の性」=赤ちゃんをつくるための性、「コミュニケーションとしての性」、そして「暴力にあたる性」の3つがあるんだよ。今映っているシーンは、どっちかがつらそうに見えるよね、これはいい触れ合いではないなと思うよ。

 …というのを、目を見て言わなくても、ちょっとボソッとつぶやくとか。そういう形でもいいので、あまりいい描写のシーンではないなということを伝える。もっと上の学年になってしまうと一緒にそのシーンを見ることが難しくなるかもしれませんが、「こういうのってうそなんだよね」と伝えるチャンスではあるんですよね。

「暴力・搾取の性」に巻き込まれないで

サッコ先生 例えば、お子さんがネットで性的な動画を見ていた検索履歴を見つけてしまった。エロ本がベッドの下から出てきた。さて、どうしましょう、というときと同じだと思います。「本当はお互いが求め合って気持ちいい触れ合いというのがいいことなんだけど、そうでないものが描写されていることがあって、できればあなたにはこういうことには巻き込まれないでほしいなと思ってる」ということを、直接目を見てお話しするのか、空に向かってつぶやくのか。年齢によっていろいろな方法があると思います。

すくすく 3つある性のお話は、ああそういうふうに子どもに説明すると分かりやすいんだなと整理されました。

サッコ先生 性教育の講演の中でも、まずは「今日は性についてのお話をするけれども、『生殖の性』『触れ合い・コミュニケーションの性』『暴力・搾取の性』、この3つの性があるよ。そして、できればみんなには3番目には巻き込まれないでほしいなと思ってるよ」というところから始めていきます。

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高橋幸子(たかはし・さちこ)さん

 「趣味・性教育、特技・性教育、仕事・性教育」の産婦人科医。愛称は「サッコ先生」。埼玉医科大で医師として思春期外来などで診察に当たるかたわら、全国各地の学校などで年間120回以上性教育の講座を行う。家庭でできる性教育も支援しようと、サイトの監修や本の出版もし、多角的に活動する。著書に『サッコ先生と!からだこころ研究所 小学生と考える「性ってなに?」』(リトルモア)。

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