登校・登園しぶり、親も先生も見えない理由 小さなことが大きなハードルに
今川綾音 (2023年12月15日付 東京新聞朝刊)
「学校行きしぶり」「登校・登園しぶり」という言葉を聞いたことはありますか? 学校や園に行きたくない、と子どもが登校・登園を嫌がることを指します。そういう気持ちになる原因はさまざまで、親も先生もすぐには思い当たらないケースも多々あるようです。
東京すくすくで10~11月に公開した登校・登園しぶりについての2本の記事では、この「原因の分からなさ」に焦点を当てて深掘りしました。
1本目は、東京都内で小学生2児を育てる漫画家・滝沢友紀さんへのインタビュー「小1の娘が『学校行きしぶり』に… 教室に付き添う日々で見えたこと」です。ある日突然、小学校に入学して間もない長女の登校しぶりが始まります。「先生も友達も好きだし、学校に行きたくないわけじゃない」と言う娘さんに戸惑いながらも、滝沢さんは仕事をセーブして教室に付き添う覚悟を決めました。
毎日わが子を見守るうちに、「休み時間以外にトイレに行きたくなった時、給食を残したい時…。ほんの小さなことが1年生の娘にとっては大きなハードルになっていると気付きました」。そう振り返りながら語ってくれたのは、滝沢さんが教室に通ったからこそ見えてきた風景でした。同時に、学校の今の態勢では見落とされてしまうことがたくさんある、と示唆するものでした。
もう1本は、東京すくすく部の父親による体験談「4歳息子が突然の登園しぶり 理由も解決策も予想外なものでした…」です。当時4歳だった息子が保育園の前で足を止めて静かに泣き出したことに動揺し、その理由を探ったやりとりを謎解き仕立てでつづっています。
行きしぶりは不登校などのもっと手前の段階ともいわれます。この段階で保護者や先生が子どもの気持ちを丁寧にすくい取り、ケアする余裕を持てる環境を社会がつくっていくこと。2本の記事からはその必要を強く感じました。
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