【練馬区】施設の退所後を支援【文京区】校門に24時間使えるAED【台東区】小中学生の補助教材費を支援〈首都圏の子ども予算案2025〉

浜崎陽介、細川暁子、鈴木里奈 (2025年2月1日付 東京新聞朝刊)
 首都圏の自治体では1月下旬から、2025年予算案が発表されています。東京すくすくでは、子育て関連の予算を中心に主な自治体の予算案をまとめて紹介します。今回は練馬、文京、台東の3区です。

練馬区 児童養護施設や里親からの自立をサポート

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当初予算案を発表する練馬区の前川区長

 児童養護施設や里親のもとで育ち、自立の際に困難を抱えやすい子どもたちを対象に、18歳以降に生活や居場所づくりを支援するプロジェクトを始める。

 家庭からの支援が見込みづらいため、生活支度金として最大20万円のほか、施設退所後5年間にわたり、家賃を最大で月3万6千円、光熱水道費を月1万円補助する。定期的に若者が交流できる場を提供し、住まいや就職についての相談も受ける。初年度に20~40人ほどの利用を見込んでいるといい、4188万円を計上した。

 医療的ケアが必要な重度の心身障害者の入所施設を同区三原台2に設ける。入所定員50人、通所は75人を想定し、2029年の開設を目指す。設計費など1678万円を盛り込んだ。前川燿男(あきお)区長は「ライフワークとして取り組んできた障害者福祉と児童福祉をさらに充実させる」と話した。

 建て替えを予定する「区立美術館・貫井図書館」の解体や設計などにかかる費用の一部として5億3622万円を計上。現時点で工事費は109億円を見込むが、金額や工期の妥当性も検証するとした。

 一般会計は4年連続で過去最高を更新した。(浜崎陽介)

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元記事:東京新聞デジタル 2025年1月24日

文京区 AEDを誰でも使えるよう学校入り口に

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新年度予算案を発表した文京区の成沢広修区長

 区立小中学校計30校の入り口付近などに自動体外式除細動器(AED)を設置し、学校関係者だけでなく周辺住民など誰でも24時間使うことができるようにする。

 AEDは、心肺停止状態の人に電気ショックを与えて心拍を復活させる。突然の心停止に備え、これまでも職員室など全校の校内に配置してきたが、1287万円を盛り込み、新たに各校の校門付近に1台ずつを設置する。設置時期は9月ごろを予定。

 成沢広修区長は「いざという時に門が閉まっていてはAEDを使えない。区民の要望もあり、誰でも使えるAEDを増やす」と力を込めた。

 このほか、学童保育の待機児童解消策として、民間の賃貸建物を活用し、定員20人程度の小規模施設を整備する。小学校の「放課後子ども教室」の終了時刻も、現在の午後6時から午後6時半までに順次延長する。予算額は4億7702万円。

 中高生の居場所づくりとしては、後楽の民間オフィスの一角を借りて、自習やゲームができる場所「アクアベース」を開設。週3回開き最大30人が利用できる。341万円を計上した。

 予算規模は前年度比15.3%増で過去最大となった。(細川暁子)

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元記事:東京新聞デジタル 2025年1月31日

台東区 補助教材費支援で保護者の負担減

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新年度予算案について説明する台東区の服部征夫区長

  台東区が舞台の大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺(つたじゅうえいがのゆめばなし)~」の活用推進経費に3億2630万円を盛り込んだ。JRの駅でドラマや江戸時代をテーマにした土産品を販売する他、女性ファッション誌の交流サイト(SNS)で浅草北部地域の魅力を発信する。5月に「蔦重まつり」を開催する費用や大河ドラマ館の運営費も計上。服部征夫区長は「今も町に色濃く残る江戸の心と文化を発信したい」と語った。

 防災面では、連携都市の茨城県筑西市に広域防災備蓄倉庫を2基設置する。2万食の食料と2リットルペットボトル1万3千本の飲料水が備蓄できる他、災害時の姉妹都市からの支援物資の一時受け入れ場所としても活用する。都外に拠点を設置するのは23区では例がないという。観光客が多い浅草地区では地元住民と区による協議会を設け、帰宅困難者対策として避難誘導指針を策定する。こうした災害対策に1億6204万円を計上した。

 区立の小中学生が使う補助教材費を支援し、保護者負担を減らす。

 予算額は3億1561万円。一般会計は1306億円で、前年比6.0%増と過去最大規模となった。(鈴木里奈)

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元記事:東京新聞デジタル 2025年2月1日

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