子どもとの約束は、破られるためにするのか〈加瀬健太郎 お父ちゃんやってます!〉
「パパ、メナゲ」。四男はまだ「メガネ」と言えない。かわいい。もう少し言えないままでいてください。
実は、次男も「メナゲ」をかけるようになった。視力が落ちたのは、勉強のせいではなく、漫画とゲームなことは確か。最近、長男も気がつくとスマホを触っている。「『スマホ1日、1時間半』って、自分から約束して、紙にも書いてたやんな?」というと、「約束は破るためにするんだよ」と長男。世界記録みたいに言わないでほしい。
そういえば、任天堂スイッチを買わされた時も子どもたちは、「1日、30分。ゲームは宿題が終わってから」という交渉カードを使い、時に涙で訴えてきたが、結局30分が1時間を超え、宿題は後回しで、ゲームが終わっても漫画を読んでいる。
今思えば、「英語の参考書を毎日1枚」「自分の使った食器を洗う」「おやつ食べても、ちゃんと晩ご飯も食べる」も、破られるために約束した気がする。まあいいことにする。
春から四男も幼稚園に行くので、妻が週2で働き始める。毎月、綱渡りのフリーランスの僕は正直うれしい。僕の家事の負担は増えるけど、心の安定も増える。スマホできれいな写真が撮れる時代、カメラマンの仕事もギャラも減る上に、老眼でオッサン。
いっそ「主夫」になろうか? この連載も「お父ちゃん、主夫やってます!」に変えたら、読者も新鮮でいいかもしれない。名案、名案。早速「家のことはするから、週5にしたら?」と提案すると、妻は眉間にしわを寄せ「え? そんなに働きたくない」と言った。今年も頑張って働こう。
加瀬健太郎(かせ・けんたろう)
写真家。1974年、大阪生まれ。東京の写真スタジオで勤務の後、ロンドンの専門学校で写真を学ぶ。現在は東京を拠点にフリーランスで活動。最新刊は「お父さん、まだだいじょうぶ?日記」(リトルモア)。このほか著書に「スンギ少年のダイエット日記」「お父さん、だいじょうぶ?日記」(同)「ぐうたらとけちとぷー」(偕成社)など。13歳、11歳、6歳、3歳の4兄弟の父。これまでの仕事や作品は公式サイトで紹介している。
なるほど!
グッときた
もやもや...
もっと
知りたい