〈奥山佳恵さんの子育て日記〉18・息子に彼女ができたら、こんな心境になるなんて!

(2021年1月22日付 東京新聞朝刊)

奥山佳恵さんの子育て日記

写真

彼女と息子と私とで3人デートも。江の島を背景に、手でハートを作ってもらいました!

5歳のころは「私だけのものよ」と…

 冬まっただなかの日本列島ですが、わが息子18歳の長男はただいま春まっさかり。ありがたいことに、推薦入試で大学から合格通知をいただいてサクラが咲きました。さらに彼の季節が進んだのは-。

 彼女ができたから。全身から毛穴から、ハッピーオーラがあふれています。若干宙にも浮いている。サクラが咲いて、彼女ができて、めくるめく春。脳内お花畑です。

 長男がうんと小さな、5歳ごろの夏。上半身ハダカでスヤスヤ眠っている息子の横で添い寝をしながら、大きくなったらこの寝顔をどこぞのオンナが見るかと想像しただけで、「この子は私だけのものよ!」と一人でキーッと嫉妬したものだ。でも、いざ想像が現実となったら、キーッとなるタイミングなんてなかった。彼女がすごくいい子なんです。それに、何より息子がとっても幸せそう。息子を笑顔にしてくれる存在に、目なんて少しもつり上がりません。こんな心境になるんだなー!

グループ脱退、ソロになったみたい

 一気に変わったのは息子との距離感。それまで「家族」の一員だったのが、突然「一人の男子」になった。イメージとしてはグループ脱退。ソロになったのだ。以前本欄で、予防注射を全部終えた母子手帳は、子育ての卒業証書のようだったと書きましたが、彼女ができるとその比ではない。

 心身ともに彼女といっしょ。家で私と過ごす時間なんて皆無に等しい。まるで電気がパチンと消えたみたいに簡単に、スイッチひとつで子育てが終わった。余韻ゼロ。「もうすぐ消えますよー」の予告もなし。

そして分かった、自分の親の気持ち

 突然電気が消され、私の目はまだ慣れないままでいる。ああ、ごはんは4合も炊かなくてよかったのか。牛乳を買う量はもっと少なくていいんだ。恋をしたら、実家なんて見えない。誰しもが通ってくる道で、私にだって記憶がある。ああ、だから、たまに帰る実家ではあんなにはりきって料理を作ってもらえるんだなぁと、今となっては親の気持ちがよく分かる。

 現状は、まだ私が朝起こすし、ごはんも作るし、完全にひとり立ちしたとまでは言えないけれど、彼の心は電気を消して巣立っていった。育った子どもは巣立つもの。私たちはそれを「幸あれ」と手を振るぐらいしかできないのだ。おなかがすいたら、いつでも戻っておいでよ!(女優・タレント)

5

なるほど!

52

グッときた

43

もやもや...

6

もっと
知りたい

すくすくボイス

  • 匿名 says:

    奥山さん優しい〜!見守りつついつでも帰って来ていいよ、という態度、本物の愛を感じました。

      
  • 匿名 says:

    うちの息子は26才、彼女もできないからずっと母といるねと言った一ヶ月後に突然の一人暮らし(何もできない人間になっちゃうと)その後すぐに彼女が出来てなんだか寂しい気分下の子は自閉なのでずっと一緒と思っているけどいつかはグループホームも考えないと…無理かも💧想像したくない

      
  • 匿名 says:

    私は結婚もおそく、出産も超超高齢でした。アダプトしようと色々な施設などに連絡したら、そんな高齢の人には子供をあげられません。と、言われ途方に暮れ自分で産むことを決意。そうしてやっと生まれた双子。可愛くて可愛くて今も相変わらず可愛いです。時々ハグしてもらいますが、もう、抱っこもできず見上げるようになった13歳。まだまだガールフレンドはいないけれど、できたらもっと綺麗好きになるかしら。

      
  • 匿名 says:

    子供がいる人が、うらやましい。
    残念ながら私は、23歳の時に卵巣がんになり、子供は持てない人生となりました。
    周囲には、『子供なんていらない』と、話していますが、
    心の底では・・正直には、言えません。同情されても、これから子供を持てるわけではないし。

    私には、子供がいない。神さまは、私には子供を授けてくれなかった。

    だけれども、贅沢を言ってはいけない。
    本当は、命、取られてしまうところだったのだから・・・
    そう思うことに、しています。

    私は、自分の子供は持てなかったけれど、
    世の中の人々の人生が、明るく素晴らしいものになるよう、
    社会に貢献し、力を尽くしていきたいと考えています。

      
  • 匿名 says:

    ひとり息子の就職が決まり、ホッとしたのも束の間、コロナ禍で彼女となかなか会えないから、この3月に卒業したら入籍して一緒に暮らすと言い出した!まさかこんなに早いとは想像もしてなかった。
    あと1ヶ月でこの家からいなくなると思うと寂しくて…あまりに急で心が追いつかない。本当にパッと電気のスイッチが消されたみたい。せめて好物を…と作っても、前ほど喜ぶこともなく素っ気ない。もう心は彼女のもとに行ってしまったのね。これからは彼女と幸せに。
    今まで君のお母さんでいられて楽しかったよ。ありがとう!
    泣かずに送り出せるかなぁ〜

      

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