サッカー系ユーチューバー 森保圭悟さん 日本代表監督の父の教えは 「楽しめ」

大野雄一郎 (2025年1月26日付 東京新聞朝刊)

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父であるサッカー日本代表の森保一監督との思い出を話す森保圭悟さん=東京都渋谷区で(大野雄一郎撮影)

カット・家族のこと話そう

各界で活躍する著名人がご家族との思い出深いエピーソードを語るコーナーです。

父の森保一監督は弱音を吐かない 

 父はサッカー日本代表監督の森保一です。幼少期からサッカーが大好きでしたが、おやじから「サッカーをやれ」と強制されたわけではなく、自然にボールを蹴っていました。技術を教わったこともほとんどありませんでしたが、「サッカーを楽しめ」とはよく言われていましたね。おやじがスタジアムでプレーしているのを見て、自分も将来はプロになりたいと鮮明に思い描いていました。

 大学卒業後、Jリーグのクラブとは契約できませんでしたが、海外に出て人生の幅を広げたいと思い、豪州のクラブに入団しました。おやじから常々「海外もいいんじゃないか」と勧められていた影響もありました。日本代表の選手として海外のアウェーで戦い、いろんな生活を見てきたからこそのアドバイスだったんだと思います。

 おやじが代表の監督に就任したのは、海外2カ国目のフィリピンのクラブにいたときでした。発表の少し前に、LINEの家族グループで「迷惑をかけるかもしれないけど、チャレンジさせてください」とメッセージが来て。その前から就任を有力視するニュースが報じられていたので、当時は「ほんまにやるんやな」くらいにしか思っていませんでした。

 代表戦を観戦するときも、いちサポーターとして応援しているだけですよ。カタールワールドカップ(W杯)の予選でつまずき、解任論が出たときも「そういう世界だし」くらいの感覚でした。おやじから弱音を聞いたことも特にありません。

初孫にメロメロ 3世代で蹴りたい

 ただ、2022年の本大会でドイツ、スペインに勝った試合を見たときは、本当に感動しました。とても想像できない重圧を背負って世界と戦っているんだと思いましたね。次のW杯も指揮するのであれば、ぜひベスト16の壁を越えてほしい。おやじがいつも僕に言ってくれたように、楽しんで仕事をしてほしいなと思います。

 僕には去年の6月、長男が誕生しました。おやじにとっての初孫になります。

 妻は地元の広島で出産したんですが、同じ時期に広島で代表戦があり、おやじもタイミング良く対面できました。もうメロメロですよ。長男の動画はいつも家族グループで共有しているんですが、おやじは毎日、試合前にもその動画を見ているみたいで。先日の兄の結婚式では、親族のテーブルでずっと長男を抱っこしていました。

 長男とは、出産祝いにおやじが贈ってくれた代表のユニホームを着て試合を見に行っています。長男にもサッカーをやってほしいですが、強制はしたくない。自分の意思を尊重してくれたおやじみたいな親でありたいです。いつか代表監督を退任したら一緒にハワイ旅行に行きたい。3世代で一緒にボールを蹴れたらいいなと思います。

森保圭悟(もりやす・けいご)

 1993年、広島県生まれ。サンフレッチェ広島ユース、流通経済大をへて豪州、フィリピン、ドイツのクラブでプレー。2019年に現役を引退し、翌年に広島ユース同期の2人と一緒にサッカー系のYouTubeグループ「LISEM(リゼム)」を結成した。現在は兄と弟もメンバーとして活動。

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