ママがいないこと「吹っ切れてきましたよね」と言われて〈清水健さんの子育て日記〉31

(2021年4月30日付 東京新聞朝刊)

清水健さんの子育て日記

写真

一緒の時間を楽しみたい!

小学1年生になった息子を毎朝見送って

 「いってらっしゃい!」。そう言って息子の背中を押そうとするけれど、なかなか手を振れない。「ここからは大丈夫だよ!」。そんな息子の言葉を頼もしく思いながら、結局、通学初日は小学校が見えるところまで送ってしまった僕がいました。

 「もう大丈夫だよね!」。自分自身にも言っているような言葉を息子にかける。送っていく距離は短くなっているけれど、毎朝、学校の正門を通ったことを知らせる通知が携帯電話に届くのが待ち遠しい。僕もパパとしての小学1年生です。

「お母さんは留守番かな?」と店員さん

 先日、「はなちゃんのみそ汁」の著者、安武信吾さんと久しぶりにお話しする機会がありました。安武さんも奥さまを病で亡くされています。僕たちは今年、7回忌。安武さんご家族は昨年、13回忌でした。子どもたちは成長している。自分たち親の方がまだまだですね。お互いに近況報告をし、同じような気持ちで過ごしていることに安心します。僕たちは何も特別ではなくて、みんなと同じ。

 あるお店に行った時、店員さんが、息子と僕、2人だけの姿を見て、「今日はお父さんと一緒なんだね! お母さんは家でお留守番かな?」。普通の会話です。気遣ってかけてくれた言葉でもあると思う。でも、その一言に、少し止まってしまうのも事実。僕のことに気付いて、店員さんがハッとする。

 僕以上に、息子はその会話を当たり前のように受け入れているのかもしれない。でも、こうして初対面の人に気を使わせてしまったなということに落ち込む。笑っている姿をみて、「吹っ切れてきましたよね! よかった!」と声をかけてもらうこともある。うーん、それは、少し違うような。「ねえ」なんて、安武さんと笑いあいました。

ママがいれば、僕はどうしていただろう

 ママがいれば。僕は朝の送りをしていただろうか。予想以上に時間がかかった入学前の持ち物の名前書き、妻に任せっきりだったんじゃないだろうか。ふと写真の前でそんなことも考えた新しい生活のスタート。

 大好きなプロ野球、ソフトバンクホークス。仕事が早く終われそうで、「今日は早く帰るからね」と伝えた日は、僕が帰宅する頃には、すでに準備万端。夕方の公園で、バットとグラブを持って向かい合う。家に帰り、2人でメガホンや応援バスタオルを持って野球観戦。こんな毎日を笑いあって、こんな毎日を妻の写真の前で報告していきたい。(フリーアナウンサー)

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なるほど!

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グッときた

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もやもや...

12

もっと
知りたい

すくすくボイス

  • ともちゃん says:

    主人がなくなって、私も6月で7年です。1人暮らしにも大分馴れてきて?息子さん随分大きくなられてて、もう感激です、私は後ろ向きですが、健さん親子は前に進んでますね 良かったわ(笑)久し振りに泣き笑いしました ありがとう

    ともちゃん 女性 60代
  • 匿名 says:

    息子は確りと食べさせて👍️
    毎日確りと抱きしめてあげてください
    我が息子3人色々と有りましたが
    優しく大きくなりました👍️

      
  • 匿名 says:

    こんにちは。私は清水さんの大ファンです。息子さんも今年小学校一年生。早いですね。シングルファーザで頑張っている姿に感動します。奈緒さんはいつも2人を見守っていると思います。コロナで大変ですがこれからも体に気をつけて頑張ってくださいね🍀いつも応援しています🍀

      
  • 匿名 says:

    高校生男子のシングルママです。親として強くならねば、そう思ったのはわが子が園児だったころでしょうか。

    でも、親が気負ったり不安に思ったりする様子を、小さな子は言葉で話さずとも親の一挙一動を見て感じていたのでしょうね。今思い返せば、私がモヤモヤしているときは、息子も「お腹がイタイ」とよく言っていました。

    親として子に対する思いやりは大事だけれども、子に気を遣い過ぎると気を遣われていることを彼らは肌で察知しています。初対面の人に気を遣わせることは、相手は大人だと思って割りきって大丈夫(笑)大人ですから。寧ろ、注意していただきたいのは、「そのことでパパが気を遣わせたと思って落ち込んでいる」ってことを、小さな子が全身で受け止めてしまう…そこを心配しなければならない重要なことだと。大人でも消化できないことは、小さな子たちには得体の知れない不安でしかないでしょうから。

    子が笑顔であれば元気をもらえるように、子もまた、親が笑顔で元気であれば、すくすくと育つものです。

    例えばですが、「ママはお空でお留守番してるんだよねー」とお子さんの目を見て同意を求めるたりするのはいかかでしょうか。悲しいキモチも、親子という最強の仲間意識が出来て、心強いキモチになれると思います。視線を合わせて「ねっ!」って。子ども同士よくやってますでしょ(笑)

    お子さまのキモチを代弁したり、親子でキモチを共有したりすることは、自分のキモチを理解してくれているという安心感にも繋がりますしね。

    小さな子はボキャブラリーか少ないので、ストレートな問いかけを躱す術を持ち合わせておりませんから、お子さまのキモチに近いコトバを探して問いかけたりして、お子さまがキモチを吐き出しやすいようにするといいかもしれませんね。楽しいキモチはもちろん、負のキモチだって、たまには親子でいっしょに出しちゃえ!(笑)イヤなキモチを、自分でどう落としどころをつけて行くのか。成績が良いとかより、大事な教えだと思います。

    仕事も子育ても十分がんばっていらっしゃることは、みなさんご存知ですよ。がんばりすぎないようにセーブする、これも大事なことです。

    ひとり親では、出来ないことがたくさんあります。自分で何が出来るかを知り、出来ないことは人様に頼ることも大事。 助け合って社会を作っていく、その姿を子に示して行くことが親の務めなのかなと思います。おかげで高校生の息子は、ナイーブな一面を持ち併せつつも、とても社交的です。今この瞬間にできる子育てを、どうぞ楽しんでくださいね。

      
  • 匿名 says:

    元気に子育てしている様子で少し安心しました。もうテレビで姿見れないのは残念ですがお身体気をつけてお仕事も頑張って下さい

      

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