話したいときに話せる場所があることの大切さ〈清水健さんの子育て日記〉52

(2023年6月21日付 東京新聞朝刊)
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少し休憩。「今の走りどうだった?」「良かったよ!」

清水健さんの子育て日記

「疲れていませんか」と差し入れが

 息子の運動会の感想日記の宿題と一緒に、この子育て日記を書いています。いつもよりスラスラと日記を書き進めていた息子。お風呂に入っている時に、「読んだ?」と聞いてきた。

 「来年はリレーの選手になりたい!」。ラストを飾るリレー種目。かっこよく見えたんだろう。「じゃ、練習しないとね!」「うん!」。いつもより素直に返事をする。2年生の頃とは全然違う。こうやって選手になれなかった「悔しさ」も覚えていく息子を頼もしく、お友だちと楽しみながらも必死に、踊り、走り、声を出す、わが子の成長をうれしく思えた運動会でした。

 講演会後、事務所に戻り、ひとり事務作業。正直、ヘトヘトになった。その時、インターホンが鳴る。疲れていませんか?って、この日、一緒に舞台にあがった、「きょうだい支援」を行っているお二人が、コーヒーとラムネを差し入れてくださった。会場で別れたはずなのに、車で40分はかかると思うのに、笑顔で「手伝えることがあったら言ってくださいね」って。

 僕には「こんなことがあってさ」なんてどうでもいいことを言える相手が一番近くにいない。しんどくなることがある。寂しくもある。でも、家に帰れば息子もいてくれるし、家族もいてくれる。そして、こうやって、仲間も。ひとりじゃない。

オンラインサロンのみんなが初めて

 始めて3年がたつ、主宰しているシングルファーザーのオンラインサロン。初めて、みんなが闘病生活を語った。

 なぜ、今まで話さなかったのか。理由はない。たまたま話したい時期がきたんだろう。みんな、壮絶な病との向きあいだった。何を一番に大事にしていたのか。自分の考えなのか、妻の考えなのか、家族の考えもあっただろう。

 みんな、ただただうなずき、何も言わない。つらすぎる現実がそこにはあって、決して、忘れることなんてなくても、今、みんな、子どもたちと必死に前を向いている。どうして今だったのか? 改めて、話したいときに話せる場所の大切さを知る。

 家族「みんな」で観戦できた運動会。ばあちゃんにも、お義父さん、お義母さんにも、息子の頑張っている姿をいっぱい見てほしい。少し照れくさそうにする息子に「頑張っていたね!」。こうやって愛してくれていることに感謝しかない。親子ふたり、多くの人に助けられています。

清水健(しみず・けん)

 フリーアナウンサー。8歳の長男誕生後に妻を亡くし、シングルファーザーに。

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  • 南初子 says:

    清水さん、お疲れ様です。最近清水さんの体調を心配しています🥺本当にひとりでよく頑張っていると思います。疲れた中嬉しい差し入れがありとても嬉しいですね。皆さん心配されていると思います。そんな中息子さん本当に成長されましたね。好きなパパに心配をかけないように心がけていると思います。本当に偉いですね。本当に身体が弱っている時奈緒がいてくれたらと清水さんは思っていると思います。でも清水さん、負けないで頑張って欲しいです。これからも身体に気をつけて頑張ってくださいね。応援しています🍀

    南初子 女性 70代以上

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