重い病気と闘う子どもに医師が寄り添う時間を 薬剤投与を自動化する機器求め、神奈川県立こども医療センターがクラファン
西川侑里 (2026年3月25日付 東京新聞朝刊)
横浜市南区の神奈川県立こども医療センターは、小児集中治療室(PICU)で、医師や看護師が手作業で行っている薬剤投与の自動化に向けて、クラウドファンディングを実施している。重い病気と闘っていたり、大きな手術後で不安の大きかったりする、子どもや家族に寄り添う時間を少しでも増やす目的だ。2026年5月29日まで寄付を募っている。

子どもに薬剤を持続的に投与するポンプ(左奥)。手作業で調整している=横浜市南区の県立こども医療センターで
薬剤の調整は膨大な確認作業が必要
導入を進めているのは、子どもに持続的に薬剤を投与するのに使う、最新型のシリンジ(注射筒)ポンプ「スマートポンプ」。電子カルテの指示に基づいて自動で薬剤が投与されるほか、薬剤名や投与量がリアルタイムで記録化され、ヒューマンエラーの防止にもつながると見込む。
従来の輸液ポンプでは、電子カルテと照合しながら一台ずつ手作業で、投与の量や速度を調整する必要がある。子ども1人につき、一度に複数の薬剤を投与するために10~20台を使うことが多く、膨大な確認作業が必要となる。
医師や看護師の時間的、心理的な負担は大きい。作業が自動化されれば、その分、子ども、家族への声かけや相談対応に時間が取れるという。
子どもと医療者を応援してもらえたら
PICUは神奈川県内に26床あり、県立こども医療センターは10床を保有。先天性疾患の出産直後の手術や全身管理が必要な新生児・乳児のケア、多臓器不全などで集中的な対応が必要な子どもの治療などをしている。
寄付はサイト「レディーフォー」で3000円から受け付けている。これまでに第1目標の2000万円の寄付が集まり、3床でスマートポンプを導入できることになった。全床導入に向け、あと4000万円を募っている。
大山有希夫副事務局長は物価高などで病院経営は厳しさを増しているといい、「子どもたちが健康で社会に戻れるように、子どもと医療者を応援してもらえたらうれしい」と呼びかけている。寄付と一緒にメッセージの送付も歓迎する。寄付は5月29日午後11時まで。
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