群馬県が児相職員にタブレット配布 「虐待疑い」写真すぐ共有、一時保護の判断すばやく
菅原洋 (2019年9月11日付 東京新聞朝刊)
群馬県は10日、社会問題化している児童虐待に迅速に対応するため、児童相談所の職員が現場の家庭から子どものあざなどを撮影して相談所へ送信するタブレット端末を11月にも導入する方針を明らかにした。上司が画像を確認し、一時保護などの判断を下すために役立てる。相談所が虐待対応にタブレットを導入するのは、北関東(群馬、栃木、茨城県)では初めてという。
現在はデジカメ撮影→プリント 判断が遅れる原因に
相談所では現在、現場の家庭に持ち込める業務用のスマートフォンなどはなく、職員はデジタルカメラで撮影した画像を持ち帰り、写真をプリントしてから会議で示している。
このため、上司が虐待を判断するのに重要な画像を確認するのは、職員が家庭を訪問した数時間後から翌日以降になるケースが多い。
タブレットは前橋、渋川、高崎、太田市にある相談所に2台ずつ配備。職員が現場の家庭を訪れた際、保護者の了承を得て室内を撮影すれば、育児放棄の判断にも役立てられる。
子どもが保護されるのを嫌がる場合もあり、家庭や車内で保護施設内などの画像を見せて安心させる使い方も想定している。
子や保護者からのLINE相談も試行 補正予算案に計上
タブレットの導入には、県が10日公表した9月補正予算案に約62万円を計上。虐待の関連では、子どもと保護者から無料通信アプリ「LINE(ライン)」による相談を試行するのに約140万円も盛り込んだ。
補正予算案の総額は約44億6000万円。県庁の32階に山本一太知事が提唱する約48平方メートルの動画スタジオを本年度中に整備するために約1億1700万円を見込んだ。
外国人観光客の誘致促進に約1000万円、経済人や有識者を招く「群馬サミット(仮称)」の開催に700万円も計上した。
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