神奈川県が児童相談所を新設します 大和市と綾瀬市を所管 相談件数の増加を受け、来年4月に運営開始
志村彰太 (2020年10月1日付 東京新聞朝刊)
神奈川県は、児童虐待などの相談が増えている中央児童相談所(藤沢市)と厚木児相(厚木市)について、担当地域を切り出して、新たな児相を設立し、来年4月に運営を始めることを明らかにした。
方針を決める所長に負担が集中
29日の神奈川県議会厚生常任委員会で説明した。新設する児童相談所の名称は「大和綾瀬地域児相」(仮称)で、大和市と綾瀬市を所管する。中央児相の建物に入り、新たな建物は造らない。
神奈川県によると、県所管の5つの児相への相談件数は、2015年度に2700件だったが、昨年度は7300件に増加。このうち6割を中央と厚木の児相が占める。相談件数の増加に合わせて児童福祉司を増やしてきたが、子どもや保護者の支援方針を最終的に決めるのは所長の権限で、「所長に負担が集中し、方針決定に時間がかかっていた」(子ども家庭課)という。
老朽化する厚木児相は建て替え
児相の新設により所長が1人増え、方針決定が速くなることが期待される。昨年度の大和、綾瀬両市の相談件数は計918件で、その分だけ中央と厚木の両児相の負担が軽減される。
老朽化が進む厚木児相の建て替え工事の概要も厚生常任委員会で示された。現在地の近くに鉄筋コンクリート3階建ての施設を建設。現在は相部屋の一時保護所を個室にしたり、相談室を増やしたりする。建設費は約9億円で、2022年2月に完成予定。
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