養育費不払いの強制執行、申し立て費用を補助します 藤沢市が2022年度から新事業
石原真樹 (2022年3月23日付 東京新聞朝刊)
神奈川県藤沢市は2022年度から、離婚後に子どもの養育費が不払いになり、裁判所に強制執行を申し立てる場合に必要な費用を補助する事業を始める。
ひとり親支援 神奈川県内で初
養育費の取り決めにかかる費用と併せて支援をすることで、ひとり親世帯が着実に養育費を確保できるようにするのが狙い。取り決めにかかる費用の補助は横浜市などが行っているが、強制執行への補助は神奈川県内で初めてという。
事業では、養育費の支払いを取り決める際の公正証書の作成費用などを5万円を上限に補助するほか、養育費が不払いになったケースでは、強制執行を申し立てるための弁護士費用や収入印紙代などについて、15万円を上限に補助する。事業費は320万円。
実際に受け取っているのは3割
藤沢市によると、市内のひとり親世帯のうち、児童扶養手当を受給する世帯(子ども1人の場合で所得230万円以下など)は昨年8月時点で約2300世帯あり、このうち95%ほどが母子世帯。市の聞き取りで、養育費の取り決めをしていると答えたのは4割で、実際に受け取っているのは3割にとどまる。
市の窓口には「コロナ禍で養育費の支払いが滞って困っている」という相談が寄せられるほか、困窮して相談に訪れたひとり親女性が、「養育費はもらっていない」と明かすケースがあるという。
市の担当者は「養育費は子どもが自立するまで必要なもの。強制執行には費用も手間もかかるが、養育費の確保につながるよう支援したい」と話す。
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