空間デザイナー MEGUさん 3人の息子は学校に行けない時期があったけれど、今はそれぞれの道へ

古根村進然 (2025年4月6日付 東京新聞朝刊)

写真

3人の息子について語るMEGUさん(中村千春撮影)

カット・家族のこと話そう

各界で活躍する著名人が家族との思い出深いエピーソードを語るコーナーです

釣りの旅は子煩悩な夫が計画

 紙などで大きな花を表現するジャイアントフラワーのアトリエ「PETAL Design(ペタル デザイン)」(東京)の代表デザイナーを務めており、企画や営業などを担うディレクターの夫、3人の子どもと暮らしています。子どもは全員、男でプロゲーマーを目指す21歳、中学3年、中学1年です。長男は、責任感が強く穏やかな性格。次男は慎重で石橋をたたいて渡るタイプ。末っ子はチャレンジ精神が旺盛で、家族のムードメーカーの役割を担っています。

 私と性格が似ているのは次男。周囲を気遣い、思っていることを口に出しにくい。家族みんな釣り好きで、千葉県勝浦市、静岡県下田市など各地に出かけましたが、計画は子煩悩な夫がしますね。

 子どもはみんな優しいですが、それぞれ学校に行けない時期がありました。期間は3人とも異なり、例えば、長男は中1のころ、半年間ほど不登校に。ただ、島根県の隠岐諸島にある高校に進学したことで以前と比べ感謝の気持ちを持ち、人との交流に前向きになりました。親としては本人が話しやすく安心できる場を整えようと、怒ったり、落ち込んで下を向いたりせず、笑顔を絶やさないようにしています。家族の愛情や友人らに支えられ、それぞれ進み出したので安心しています。

制作の相談を子どもにすると

 実は、私も3人きょうだいで、真ん中です。実家は呉服や婦人服の販売店。ボタンやシャクヤクなど四季折々の花が庭に咲いていたのを覚えています。振り返ると、友だちへの誕生日プレゼントは花ばかりでした。花を上手に生けられるようになりたいと思って、短大卒業後にフラワースクールに通ったのです。

 生花の業界で15年ほど働いた後、次男や末っ子の出産を機に新たな表現ができないか考え始めました。そんなときに夫が、巨大なコスモスが表現された海外のジャイアントフラワー作品の写真を見せてくれて。出合ったことのない神秘的な世界に驚き、引き込まれました。すぐコピー用紙でダリアやバラを作ってみました。

 今では、画用紙やクレープペーパーに、アクリルガッシュなどで色付けします。雨水に耐えられるようウレタン素材を用いたり、花びらの形が崩れないようワイヤを使ったりする場合もあります。大きさはさまざまで、花びら部分が直径約3.5メートルのシャクヤクも手がけました。構造や装飾などを自由に変えられるのが魅力です。

 見た人の心に笑顔が咲くといいなと思っています。制作に際し、子どもたちに相談すると、「こういう感じが良い」と意見をくれます。完成品を見て「頑張ったね」と言われるのが原動力。目標に向かって一生懸命やることの大切さに子どもたちが気づき、それぞれの夢を見つけて進んでくれたら、うれしいですね。

MEGU(メグ)

 1972年、埼玉県川口市生まれ。東京都内の短大卒業後、フラワースクールに通う。都内の生花店で働いた後、生花装飾専門アトリエの代表デザイナーとして9年間勤務。2015年に自身のアトリエを設立し、各地の百貨店や商業施設などに作品を出展。8日~5月31日には名古屋・栄の中日ビル1周年を記念し、チューリップなどを表現した作品を展示する。

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