埼玉の「留守番禁止」条例案撤回、岸田首相の見解は? 国会で話題に
佐藤裕介 (2023年10月25日付 東京新聞朝刊に一部加筆)
岸田首相は24日の衆院代表質問で、自民党埼玉県議団が県議会に提出して撤回した埼玉県虐待禁止条例の改正案を巡り、子育ての現場の実態を把握することが重要との認識を示した。立憲民主党の吉田晴美氏の質問に対して答弁した。
「私も虐待か」立憲・吉田晴美氏が質問
吉田氏は虐待禁止条例の改正案について、自身がワンオペ育児だった経験を踏まえて「この基準では、私は何度娘を虐待したことになるんでしょうか」と切り出し、「子育て現場の実態や当事者の苦労をまったくわかっていません」と批判した。
さらに「今は子どもを家族とともに社会全体で支える時代です」とした上で「この条例案は自民党の子育てに対する考え方ですか。岸田総理もこの埼玉県議団と同じ考えですか」と問いかけた。
「負担や困難を社会で支えることが重要」
岸田首相は「地方議会における条例案について政府としてコメントすることは控えますが」と断ってから、「その上で申し上げれば、子育ての現場の実態を十分に踏まえた上で、子育て家庭が孤立することがないように、仕事との両立や、子育てにおける負担や困難を社会全体で支えていくことが重要だと考えます」と述べた。
虐待禁止条例改正案は自民県議団が9月の埼玉県議会に提出。小学3年生以下の子どもだけの外出や留守番を放置による虐待として禁止する内容で、SNSなどで強い反発が広がり、県議団は10日に撤回方針を表明した。
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