夏休み中、デジタルデバイスとの付き合い方は〈窪田良のメディカル・トーク〉

(2025年8月5日付 東京新聞朝刊)

 

イラスト

イラスト・刀祢絢子

30分ごとに数分間の休憩を

 夏休みも真っただ中、子どもたちが動画視聴やゲームなど、デジタルデバイスを使う時間が増え、うちの子どもは大丈夫かしらと心配する親御さんが増える時期だと思います。

 スマートフォンやタブレット、ゲーム機だけでなく、本や漫画などを読むことを含め、近くを見る作業(近見作業)の時間が増えると、目への負担が懸念されます。目が疲れたり乾燥したり、一過性の視力低下や長期的には近視の悪化につながることがあります。

 特に近い距離で画面や本を見続けると、眼軸(目の奥行き)がのびやすくなり、近視の悪化を招く可能性があります。ですから、デジタルデバイスだけでなく、読書を含む近見作業全般の時間を適切に管理することが重要です。

 具体的な対策として、30分ごとに数分間の休憩を取り、遠くを見る時間を設けることをおすすめします。また画面の明るさや照明にも気を配り、目が疲れにくい環境を整えましょう。

就寝1時間前からは控えて

 また、夏休み期間中は屋外活動を増やす良いチャンスです。外遊びは目の健康にとても良い影響を与えますので、近見作業と屋外活動をバランスよく組み合わせることが大切です。

 さらに就寝前のデジタルデバイスの使用は睡眠の質を低下させ、目の健康にも悪影響を及ぼす可能性が指摘されています。寝る1時間前からは使用を控え、生活リズムの乱れを防ぎましょう。

窪田良(くぼた・りょう)

写真

 1966年生まれ、兵庫県出身。眼科医、医学博士、窪田製薬ホールディングスCEO。慶応大医学部を卒業。虎の門病院勤務を経て、米シアトルのワシントン大助教授や慶応大医学部客員教授として活躍。現在は眼科現在は眼科領域で創薬と医療技術の研究開発に取り組む。著書に「近視は病気です」(東洋経済新報社)。本コラムでは、子どもの目が置かれた状況や近視予防対策などの話題を幅広く伝えます。

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