川崎の市民グループ、市に少人数学級の実現を要請 コロナ感染を防ぎ、教員の負担減らしたい 署名2万筆が目標
安藤恭子 (2020年9月10日付 東京新聞朝刊)
新型コロナウイルスの感染拡大を受け、子どもたちを守るには学校での「密」を避けることが不可欠として、市民グループが9日、川崎市に35人以下の少人数学級を求める緊急要請書を出した。2万筆を目標に署名を集め、12月議会に請願を出すとしている。
少人数学級で学べている子、中学では3割だけ
市民グループは約30年前から少人数学級の実現を求めてきた「ゆきとどいた教育をすすめる川崎市民の会」。少人数学級は教室での感染予防のほか、コロナ対応に追われる教員の負担減にもつながるという。
義務教育標準法は、小中学校の学級定員を40人以下(小学1年は35人以下)と定めている。川崎市によると、小学1、2年は35人以下の少人数学級が実現できているが、小学3年以上は市が研究指定などした学校に限られる。このため少人数学級で学べているのは、小学3年以上の約7割、中学生の約3割にとどまっている。
市役所で会見した市民の会のメンバーで高校生から小学生まで4人の子を持つ矢沢ちひろさん(50)は「教室で距離を保ち、子どもたちを守れるよう、少人数を実現してほしい」と求めた。市教職員企画課の久保慎太郎課長は「教室確保や教員増など市独自で少人数学級に対応するのは限界もある。国の財政措置を求めていきたい」と述べた。
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