4月から成人年齢は18歳 金融商品も契約できます〈どんぶり一家のマネー術〉

(2021年3月5日付 東京新聞朝刊)

どんぶり一家のマネー術

 主婦の財子(ざいこ)さん(39)と会社員の夫の経男(つねお)さん(42)、長男税太(ぜいた)くん(4)、長女貨保(かほ)ちゃん(0)のどんぶり家。一家のお金の悩みにFP陽子さんが助言するコーナーです。

2022年度から高校家庭科で「資産形成」

 財子 卒園や卒業の季節ですね。

 陽子 税太くんや貨保ちゃんもすぐに大きくなりますよ。来年4月からは成人年齢が引き下げられ、18歳で成人。金融商品の契約もできるようになるので、マネー教育はそれまでにぜひ。

 財子 18歳成人になると、マネー関係の制度も何か変わるんですか。

 陽子 手軽に始められるNISA(少額投資非課税制度)や、つみたてNISA口座を開設できる年齢は今の20歳以上から18歳以上に。未成年向けのジュニアNISA口座も、20歳未満から18歳未満に変わります。

 財子 投資信託は私も銀行で薦められましたが、どれを選んだらいいのかよく分からなくて。

 陽子 投資信託は、多数の投資家から集めたお金を金融機関のプロが代行して運用するので、信託報酬手数料などがかかります。金融機関は手数料の高い商品を薦めることもありますが、長期運用になれば手数料もかさみます。薦められるままに契約すると、後悔するかもしれません。

 財子 うちの子たちも、18歳になれば自分で契約できてしまうんですね。

 陽子 そうですね。ですから、それまでに株式や債券、投資信託など基本的な金融商品の知識は伝えたいですね。2022年度からは高校の家庭科の授業で、投資信託など資産形成について学ぶことになっていますよ。

 財子 私も一緒に学んでいかないと。

投資信託の初心者は”インデックス型”を

 陽子 投資信託は大きく分けて、日経平均など市場に連動する「インデックス型」と、市場を上回る利益を目指す「アクティブ型」があります。アクティブ型は、市場の動きよりも積極的に利益を狙うので、資産を大きく増やす可能性もありますが信託報酬手数料は高め。初心者はインデックス型から始めるのがいいでしょう。

 財子 リスクがあると思うと尻込みしてしまいます。

 陽子 リスクを減らすには、国内、先進国、発展途上国の株式や債券といった複数の商品に分散投資したり、長期にわたり定期的に積み立て投資したりするのが効果的。日本だけでなく世界にも目を向けてくださいね。 

監修・八木陽子 

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 東京都在住。1男1女の母。出版社勤務をへて独立。2001年、ファイナンシャルプランナーの資格を取得後、マネー記事の執筆やプロデュース、セミナーなどの仕事をする。2005年、親子でお金と仕事を学ぶ団体「キッズ・マネー・ステーション」を設立。2008年、家計やキャリアに関する相談業務を行う「株式会社イー・カンパニー」を設立した。著書に「6歳からのお金入門」(ダイヤモンド社)、「10歳から知っておきたいお金の心得」(えほんの杜)など。

※「どんぶり一家のマネー術」は毎月第1金曜に掲載します。次回は4月2日です。

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