子どもへの体罰「容認」56%から41%に減少 昨春の「体罰禁止」法制化が影響か
奥野斐 (2021年3月26日付 東京新聞朝刊)
セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン調査
国際非政府組織(NGO)の「セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン」(東京)は、子どもに対するしつけのための体罰に関し国内2万人に意識調査をした結果、体罰を容認する人が41.3%だったとする報告書を公表した。2017年の前回調査の56.7%から15.4ポイント減少した。親権者などによる体罰禁止を明記した改正児童虐待防止法などが昨年4月に施行され、啓発が進んだのが一因と分析している。
子どもに与える悪影響を知って
今年1月にインターネットでアンケートを実施。しつけのための体罰を「積極的にすべきだ」が0.9%、「必要に応じて」は7.8%。「他に手段がないと思った時のみ」が32.6%だった。容認派は前回より減ったものの「お尻をたたく」「手の甲をたたく」は約半数が容認しており、総称としての「体罰」には反対でも個別の行為は容認する人もいた。
法改正後に「容認」から考えを改めた人は13.3%。理由は「体罰等が子どもに与える影響を知ったから」が56.1%、「虐待など痛ましいニュースを見聞きしたから」が52.7%。
「お尻をたたいた」人は29%
2万人のうち、ゼロ~18歳の子どもを育てる1000人への実態調査も行い、過去にしつけの一環として子どもをたたいた経験をたずねると、55.4%が「あり」と回答。過去3カ月にしつけのために1回以上「お尻をたたいた」ことがある人は29.2%に上った。新型コロナウイルスの影響で仕事を失ったり収入が減ったりした人の19.8%は、「日常的に子どもの言動にイライラする」と答えた。
担当者は「どんなに軽いものでも体罰は許されない。子どもの権利侵害であると全ての大人に知ってもらいたい」と啓発の必要性を訴えた。
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