「犬への読み聞かせ」で子どもが本好きに! 犬は批判も嘲笑もしない…高まる自己肯定感
牧田幸夫 (2022年1月25日付 東京新聞朝刊)
犬に本を読み聞かせる「わんわん読書会」が16日、千葉県流山市立おおたかの森こども図書館で開かれた。参加した子どもたちは犬とふれあいながら、リラックスして絵本の世界を楽しんだ。
米国発祥プログラム 2016年から日本に
このプログラムは1999年に米国ユタ州で始まり、欧州などに広まった。犬は読めないことを批判したり、読み方を間違えても笑ったりしないため、読書が苦手な子どもも安心して音読ができる。本好きになるほか、自分に自信を持つメンタル面の効果も指摘されている。
国内では東京都三鷹市立図書館が2016年に導入。おおたかの森こども図書館は2019年度に県内で初めて取り入れ、各回定員8人で計8回開催した。しかし翌年度以降は新型コロナウイルスの感染拡大で、休会していた。
再開したこの日は、前回同様に日本動物病院協会(JAHA)の全面協力で実施。協会ボランティアが訓練した柴犬やラブラドルレトリバーなどセラピー犬4匹が来場し、読み手は流山市内在住の小学1~3年生の4人が参加。2人ずつ2回に分けて行った。
1年生「わんちゃんは静かに聞いてくれた」
子どもたちはまず「大声を出さない」「突然触らない」など犬との接し方を学んだ。この後、パーテーションで仕切られた会場で飼い主の隣に座る犬と対面。約15分間、持参した絵本を声を出して読んだ。
小学1年の女子児童は雌のシーズーに「おばけのゆきだるま」など3冊を読み上げた。「わんちゃんは静かに聞いてくれた。途中から気持ちよさそうに居眠りしてた。交流できて楽しかった」と笑顔で振り返った。
おおたかの森こども図書館の指定管理者、すばる図書館事業部司書の横田英彦さん(65)は「犬のために本を選び、読んであげることで、子どもたちは自己肯定感や達成感を感じることができる」と説明。コロナの感染状況次第だが、2022年度も「わんわん読書会」を全9回開く予定だ。
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