僕たちはシングルファーザー。決して「特別」ではない〈清水健さんの子育て日記〉50

(2023年4月12日付 東京新聞朝刊)
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駆ける! 息子の観戦開幕戦

清水健さんの子育て日記

子どもの成長は頑張れる力、でも…

 息子の小学3年生がはじまりました。「宿題やった?」「学校楽しかった?」。そんな当たり前の親子の会話をしながら、親子で成長していける1年になればと思います。

 シングルファーザー仲間の娘さんは、この春から中学生に。小学2年生のときにお母さんを亡くされてから、4年8カ月。野球をはじめた弟のために、お弁当のおにぎり、土日は夜ご飯も作ってくれる、心優しいお姉ちゃんです。

 小学校卒業式、堂々と卒業証書を受け取る姿は頼もしく、でもやっぱり心のどこかで寂しくもあり、涙があふれたと、お父さんがメッセージをくれました。たくさんの思いがつまった涙。子どもたちの成長は何よりの頑張れる力、でも「申し訳ない」という思いも。正直な言葉ひとつひとつに心が切なくなる。

どこかで思ってしまう「ごめんな」

 もちろんお母さんがいてもお弁当作りや弟の送り迎えもしていたと思う。誰も「悪く」なんてありません。それは「絶対」にそう言えます。そうわかっていても、どこかで娘さんに対して「ごめんな」って思ってしまう。寂しい思いをさせてはいないか、苦労をかけてしまっていないか。

 お母さんのことはあまり言葉にしなくても、多くを感じているであろう娘さん。「お父さんに心配かけてはいけない」。もしかしたらそんなことを思わせていないかとも考えてしまう。卒業式後「お母さんは何て言っているかな?」と聞いてきたそうです。何と答えたのか、僕は、あえて聞かないようにしました。家族だけの特別な会話。僕なら何て答えるのか。想像しただけで、心がキュッとなる。

 僕たちは決して「特別」ではない。みんなと同じ。でも、胸を張って「頑張っているよ!」って、大きな声で叫びたい。娘さんも、息子さんも、そして、お父さんも!

 僕たちはシングルファーザー。子どもたちが親を成長させてくれています。

妻に見せていきたい「日常」の姿

 それぞれの家族のカタチで過ごす春。息子の大好きなプロ野球も開幕しました。3年ぶりの声出し応援ありの球場で、顔を真っ赤にしながら興奮して喜ぶ姿を見られることがうれしくてたまらない。

 何も特別ではない。ママはいない。もちろん、それは大きなことだけど、こうやって一緒に笑いあいたい!

 しっかりと予習をしたはずなのに、知らない応援歌も登場してくる(笑)。周りをキョロキョロしながらも、みんなにあわせて声援をおくる。そんな「日常」の姿を妻に見せていければなと思う。

 清水健(しみず・けん)

フリーアナウンサー。8歳の長男誕生後に妻を亡くし、シングルファーザーに。

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  • ゆうたろう says:

    この記事を読んで恥ずかしながら清水さんのことを初めて知りました。

    私は妻が長男を出産した翌日妻が亡くなり現在3児のシングルファーザーです。先月妻の一周忌法要を終えました。

    いろいろ大変なこともありますが前だけを見て子供達のために自分に出来ることを精一杯頑張ろうと思います。

    お互いにと言ったら失礼ですが、幸せに笑顔溢れる家庭になるよう頑張りましょう。駄文失礼しました。

    ゆうたろう 男性 30代
  • 南初子 says:

    清水さん、お疲れ様です。息子さんも小学3年生!早いですね!
    息子さんが行ってきますとの声にパパは本当に嬉しいと思い心も安らぐと思います。息子さんもママがいないから本当は寂しいと思いますがその寂しさを見せずにパパと接している姿に感動します。パパと大好きなチームの野球観戦に行っている息子さんは一番嬉しい時間だと思います。大きくなるに連れていろいろありますが清水さん、負けずに頑張ってくださいね。応援しています🍀

    南初子 女性 70代以上
  • かずぴー says:

    娘さんは、優しくて強くて思いやりのあって、当たり前のようにされてるんだと想います。その心の奥にある優しさのエネルギーが溢れる源って『お父さん大好き』『お父さんありがとう』な、気がしました。

    ごめんと想いますよね?私も同じ立場なら絶対想うとおもいますが、意識をして『ありがとう』と思えるようにされたら、切なさは消えて喜びに少しずつ変わっていくような気がしました。

    『ごめん』という、申し訳なさや、悲しみが土台にある切なさは、きっと娘さんにも波動として伝わるので、これから未来を生きて行く同士として、ありがとう💎ありがとう💎のお互いの波動を感じ合って生きていけれたらいいなぁと、想います。

    泣きたい時は泣いて、悲しい時は悲しんで、日常は、ありがとう💎ありがとう💎と、お互いが、想い合えたら、天国のお母さんも安心出来て嬉しいかな?と想いました🥰

    かずぴー 女性 50代

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