かながわこどもまんなかミーティングに黒岩知事と33市町村長が集合 見えた課題は「子どもの居場所が少ない」
志村彰太 (2023年11月16日付 東京新聞朝刊)
子育て支援策の横展開を図るとともに、課題も共有しようと、神奈川県の黒岩祐治知事と33市町村の首長らが一堂に会し、横浜市内で「かながわこどもまんなかミーティング」と題する会合が開かれた。各自治体から独自の政策の紹介や、解消できていない問題点などの報告があり、参加者は熱心に耳を傾けていた。
相模原市は母子手帳アプリを紹介
政府は出生数の低下傾向に歯止めをかけるため、「異次元の少子化対策」を打ち出し、6月に児童手当の拡充を軸とする経済的支援と保育サービスの充実、育児休業制度の強化や働き方改革を柱とする「こども未来戦略方針」を閣議決定している。今回の会合では、こども家庭庁の担当者が施策の概要を説明した後、各自治体がそれぞれの取り組みを発表した。
相模原市の本村賢太郎市長は、スマートフォンなどで利用できる電子母子健康手帳アプリ「さがプリコ」について、子どもの成長記録だけでなく「子育て支援施設の予約などもできるようにした」と語った。子育て世代の転入が増えている開成町の山神裕町長は、各家庭の母子の健康状況や学校での成績、出欠記録などのデータをまとめ、課題やリスクを抱える家庭を抽出する事業に着手したことを明らかにした。
放課後児童クラブの指導員が不足
大和市と藤沢市は、待機児童は解消してきているものの、就学後の子どもを受け入れる放課後児童クラブを利用できない子どもが増えていると指摘。背景として、指導員の不足などを挙げた。
神奈川県は来年3月から、各市町村の子育て政策を宣伝する動画を県内の電車とバスのデジタル広告で流す方針。黒岩知事は「各市町村とも工夫していることが分かった一方で、いかに子どもの居場所が少ないかが伝わってきた。今後も意見交換しながら、政策を前に進めていきたい」と話した。
会合は、こども家庭庁が全国各地で開いている「こどもまんなかアクションリレーシンポジウム」の一環。
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