横浜の古民家がフリースクールに 不登校が増える金沢区 キャリア教育NPOが開校へ
元中学校長が校長に 企業から協賛金
アスリードは2019年に金沢区出身の武政祐(たすく)さん(36)が設立。神奈川県内企業の仕事の魅力を紹介する冊子「みらい百花」を編集・制作して学校に配布したり、連携先の企業とともに職業講座を開いたりしている。川崎市立高津高校定時制では、居場所カフェも運営していた。
中高生ら10代の若者支援に特化して活動してきたが、小学生と大学生にも対象を広げようと考えていたところ、金沢八景駅近くにある築80年超の古民家を改装し、交流拠点「せとさんち」を運営している大学生グループの存在を知った。声を掛け、施設を借りることが決まった。
フリースクールの名称は「アスリードSAKURA スクール せとさんち校」。武政さんが事務局長、元中学校長の男性が校長を務める。高津高の居場所カフェに通っていた元不登校当事者や、「せとさんち」を運営する大学生も参加する。毎週月曜午前10時~午後4時に開設し、小学4年~中学3年の8人をめどに受け入れる。月謝は月1万5000~2万円を想定するが、企業から協賛金を集めるなどして、各家庭の負担を抑えたい考えだ。
挑戦して、可能性に気づくきっかけを
運営方針は「自己肯定感を高めること」。まずは自然体験や街歩き、地域の祭りへの参加を通じて日常に楽しさを見いだしてもらう。慣れてきたら、連携先の企業で職場体験したり商品開発に挑戦したりして、自身の能力や可能性に気づくきっかけを与える。
神奈川県教委の統計などによると、金沢区内の不登校児童生徒は増加傾向にあり、2022年度は453人に上るが、フリースクールは1カ所しかなかった。武政さんは「出身地の社会課題を解決したい。キャリア教育の強みを生かし、フリースクールのモデルを構築していく」と意気込んでいる。
詳細はアスリードのホームページに記載している。
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