子どものあと〈2〉長いお風呂に寝かしつけ 5歳の娘にとことん付き合う僕の願いは
今回、話を聞いたのは…
ショウタさん
39歳、社会福祉士、東京都稲城市在住。子どもは、幼稚園年長(5歳)の長女。
寝つくまでに2時間…!
写真に写っているのは、5歳の娘の2軍・3軍のぬいぐるみたちです。かつては娘と一緒に寝ていた子たちなのですが、今は子ども部屋のテントの中に放り込まれています。
15体くらいいるかな。テントの外にもまだいるんです。1メートルくらいの大きい子もいて…。あまりたくさん出しっ放しにしていると妻に注意されるので、娘はここに入れています。
今、かわいがっている1軍のぬいぐるみたちが5~6体いて、娘は布団の周りにその子たちを並べて寝ています。
その娘の寝かしつけに2時間かかるのが今の悩みです。家にいる時は、寝かしつけはだいたい僕がするのですが、夜7~8時に絵本を読み始めて、寝るのは9~10時。11時近くまで寝てくれないことも。
3歳ごろからは、何もないところから話をつくる創作物語も夜の定番です。「このあと、どうなると思う?」「誰が出てくると思う?」と盛り上がりますし、2人でいろんな話ができる親子のかけがえのない時間でもあります。でも正直、早く寝てくれよ!と思っています。
お風呂遊びの相手は僕が
お風呂も、かなり時間がかかります。妻が娘と入るときは遊ばないのでサッと出るのですが、週4日、僕と入る日は長い。30~40分かかります。僕はどちらかというと、からすの行水タイプで、パッと入って短い時間で出たい。だから心の中で「もうイヤだー」と叫びながら、ひたすら娘の遊びに付き合っています。
じゃんけんや、「せっせっせのよいよいよい」。それからお湯を使っての空想料理。「ギョーザつくります!」「うどんこねます!」と始まると、僕にも「こねてください」「広げてください」と指示が飛んできます。
先に上がりたい気持ちもありますが、それをしないのは、1人残して万が一、娘に何かあったら嫌だから。特に妻は心配性。安全確保は怠れません。
自分はできなかったから
娘を育てる上で、できるだけ本人がしたいようにさせたいと考えています。放任主義ではないので、ダメなことはダメと伝えます。でも何かを選ぶときに、2択、3択ではなく、選択肢をたくさん提示してあげたいし、自分の気持ちを言えるようになってほしい。自分が子どもの頃、そうじゃなかったから。
両親は僕が10歳の時に離婚しました。父と母、どちらについていくか選ばされましたが、僕は答えを出すことができなかった。「こうであるべきだ」という固い考えを持つ祖父母と暮らす中で、「この方がいいよ」と否定されることが続いて自分の気持ちが言えなくなり、話もだんだんしなくなっていった。夢中になれるものがサッカーしかない生活を送っていたけれど、本当はもっと選択肢があっただろうし、いろいろできたんじゃないかなと思う。
だから娘には、自分で選べて、何でも話せる環境をつくってあげたい。大人だけで話さないで、娘にも分かる言葉で説明して「どう思う?」と聞いています。それに、娘が大きくなった時に、僕自身も意見を言える関係にしたい。そのベースを今からつくっておきたいという思いもあります。
コロナ禍のうれしい誤算
振り返れば、娘が1歳になり、ようやく歩けるようになって、これから家族でいろんなところに出かけられるね!というタイミングでコロナ禍に。当時は1LDKの狭い家に住んでいたので、リモートワークになっても仕事をする場所がありませんでした。寝ている娘が僕の声で起きないように、脱衣所でオンラインの打ち合わせをしたりと、閉鎖された中での生活は本当にきつかった。
ただ、コロナ禍で大変なことは数え切れないくらいあったけれど、家にいることで子どもとの時間が存分に持てたのはプラスでした。そうでなかったら平日は家にいられず、ごはんもお風呂も寝かしつけも僕は関われなかった。娘にとっては、僕が家にいることが普通。外で仕事をする日が増えた今は、「何でいないの?」と言われてしまっています。
〈1〉よく泣く子だった長男 あの頃、チーズが私のお守りだった
〈2〉長いお風呂に寝かしつけ 5歳の娘にとことん付き合う僕の願いは(このページ)
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