虫歯予防のための食器共有NGは無駄な努力だった? もう少し肩の力を抜いていいのかも - 東京すくすく | 子どもとの日々を支える ― 東京新聞

虫歯予防のための食器共有NGは無駄な努力だった? もう少し肩の力を抜いていいのかも

(2024年7月5日付 東京新聞朝刊)
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食べ物を親がそしゃくして与えていた時代と比べ、虫歯予防の常識は大きく変わった

祖父母とバトルやフーフー禁止も

 「虫歯菌がうつらないように」と親子での食器共有を避ける保護者は少なくありません。同僚の記者たちも、大人が使ったスプーンでご飯を食べさせないようにしたり、離乳食にフーフーと息を吹きかけて冷ますのを控えたりして、唾液による感染を防ごうと心を砕いてきました。

 そのため、日本口腔(こうくう)衛生学会が「食器の共有をしないことで虫歯を予防できるということの科学的根拠は強くない」と昨夏に発信した際、同僚たちはざわつきました。「食器共有を気にしない祖父母世代とバトルを繰り広げてきたのに」「無駄な努力だったのか」

口腔衛生の専門家による子育ては

 この発信を取り上げた記事では、食器共有を避けることの有効性について異なる見解を持つ専門家2人に取材。2人が自分の子に対しては、どうしていたのかも尋ねました。

 一人は、自身に虫歯が多かったため、甘いものは極力与えなかったそう。飲み物は麦茶か牛乳、デザートは旬の果物。フッ素入り歯磨き粉での歯磨きやフッ素によるうがいも行い、長男は虫歯知らずといいます。「案外、与えないと欲しがらない」のだそうです。

 もう一人は、高濃度のフッ素入り歯磨き粉を海外で入手しますが、辛くて長女は歯磨き粉が苦手に。高校生になるまで歯磨き粉を使わず、虫歯ができたそうです。歯磨き粉の大切さが身に染みた長女は今、歯科医として活躍しています。

 アプローチは異なりますが、どちらも子どもを思うゆえの行動で、「子育てに正解はない」と感じました。

親の無理のない範囲で虫歯予防を 

 子育ての常識は変わります。今は両親学級で、お風呂上がりにベビーパウダーをつけ、白湯(さゆ)を飲ませてという指導はされません。虫歯予防の方法もいつか新説が出てくるかもしれない。

 そうであれば、今の常識も「そういう考え方もあるのか」程度に受け止め、「できないときもあっていい」と割り切って付き合えばいいのかもしれないと思えました。

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