アプリで気軽に「ベビーカーシェア」 お出かけ先で借りて移動先で返却 子どもの昼寝、「歩きたくない」も怖くない

畑間香織
ベビーカーシェア

アプリの操作で気軽にベビーカーを利用できる=江東区の有明ガーデンで

 会員がベビーカーを共同で利用するシェアリング事業「Share Buggy(シェアバギー)」が、幼い子どもを育てる親から好評だ。運営する「Babydoor(ベビードア)」(豊島区)社長の中川阿美さん(36)は「子どもの抱っこから解放されて、行ける場所の選択肢が広がれば」と話す。

駅や商業施設の「ポート」で取り出す

 シェアバギーは2019年3月から事業を開始。スマートフォンのアプリ上でクレジットカード決済をすると、駅や商業施設に設置されたロッカー型の専用ボックス「ポート」の鍵が開いてベビーカーを取り出せる。

 ポートは現在、小田急線や江ノ電、京急線の一部駅のほか、商業施設の有明ガーデン(江東区)や恵比寿ガーデンプレイス(渋谷区)など都内を中心に計23カ所設置。1時間220円から借りられて、借りた場所以外の移動先のポートでも返却できる。

シェアバギー

ベビーカーのシェアリング事業について話す社長の中川阿美さん

 起業したのは17年。きっかけは、子育て中の友人から「ベビー用品が多様化していて選ぶのが大変」「高級ベビーカーが魅力的だが夫を説得しないといけない」という悩みを耳にしたことだった。それまで勤めていた会社を退職し、人気ブランドのベビーカーをはじめ、ベビーベッドやチャイルドシートなどベビー用品のレンタル・販売事業を始めた。

行き先での「すぐ使いたい」に応えて

 事業を続ける中で、利用者から「今空港にいて、お宅のベビーカーを借りたい」といった特定の場所ですぐに使いたいという声が多く寄せられた。レンタル事業では、商品が届くまでに日数がかかり、返却時には利用者が梱包(こんぽう)して郵送する必要があるため、こうした声には応えられない。出張先の中国で自転車のシェア事業が盛んな光景を目の当たりにし、行き先でベビーカーを借りられるようにすれば、課題を解決できると考えた。

シェアバギー

ベビーカーの有料レンタルサービス「シェアバギー」を利用する親子

 会員からは「ベビーカーで電車に乗るのが大変で控えていたが駅で借りられたので、行きたいところに行けた」といった声が寄せられる。自身も子どもが行き先で昼寝をしたり、突然歩きたくなくなったりした時に利用する。

 中川さんは「ふかふかのベビーカーで子どもが寝てる間に、好きな買い物ができる。保育園に置けないからと日常的に利用する方もいる。今後も子育て層に寄り添うサービスを広げたい」と笑った。

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