女性を悩ませる中絶の「配偶者同意」 未婚やDVの場合は不要なのに医師から求められ… NHKクロ現で9月7日放送
石原真樹 (2022年9月3日付 東京新聞朝刊)
予期せぬ妊娠で中絶をしようと決めた女性が直面する「壁」を、NHK総合「クローズアップ現代」(午後7時半)が9月7日に取り上げる。法的には必要がないのに産婦人科医師から求められることがある「配偶者同意」に苦しんだ女性の思い、医師が同意を必要とする背景などを深掘りする。板垣淑子チーフプロデューサーは「女性の自己決定権が置き去りにされる現状を知って」と呼びかける。
相手と別れ、中絶を決意したのに…
母体保護法で、人工妊娠中絶は「配偶者の同意を得て行うことができる」とされているが、女性が結婚していない場合、夫からDVを受けている場合などは「同意は不要」と厚生労働省は通知している。しかし実際には、女性が医師から相手男性の同意を求められ、手術が遅れて母体に負担がかかったり、精神的に追い詰められたりするケースが起きている。
番組では、相手に避妊を拒まれたため妊娠した女性を取材。相手とは別れて中絶を決意したが、医師から同意書を求められ、苦しんだ経験を明かす。
「訴訟リスク」避けたい医師の苦悩
一方、医師に行ったアンケートでは、同意を求める理由は「母体保護法をそのように解釈している」が最も多く、「訴訟リスク」が続く。法が定める配偶者同意要件を撤廃すべきか否かは賛否が拮抗(きっこう)し、現場の医師の苦悩も浮かび上がる。
取材のきっかけは、米国で半世紀ぶりに最高裁の判例が覆され、中絶を厳しく規制する州が増えたことという。板垣チーフプロデューサーは「日本では性教育も不足しており、避妊や生理などについて今後も放送していきたい」と話している。
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医者が恐れるのは、訴訟だけではありません。未婚、未成年の女性の中絶手術を、本人と両親の同意だけで行った時のことです。入院していたその夜にお腹の子供の父親と称する男性が現れ、産婦人科の病棟に入り込み「どうして俺の子を殺した。」と興奮して大騒ぎ。まるで病院が勝手にやったと思っているみたいな言い方でした。厚労省の通知だけを頼りにして、こんな父親に立ち向かうのはリスクが大きすぎます。女性ばかりの病棟で同室の患者様や看護師も相当怖い思いをしました。