藤沢市のいじめ重大事態報告書 時期や当時の学年など基本情報が非公表 市議「考える材料がない」

篠ケ瀬祐司 (2026年3月20日付 東京新聞朝刊)
 神奈川県藤沢市の市教育委員会が2月に出した「いじめ重大事態調査結果報告書」で、いじめの時期や学校側の具体的な問題点といった基本情報が非公表だった。教育問題に取り組む原田健市議(アクティブ藤沢)は「市民が考える材料を提供できていない」と指摘している。
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藤沢市教委が2月に公表した「いじめ重大事態調査結果報告書」

「相当程度」などあいまいな表現

 藤沢市教委が2月17日付でホームページで、A4用紙2枚分の報告書を出した。

 報告書によると「本市立学校」で、「重大事態」(いじめにより生命、心身または財産に重大な被害が生じた疑い)が起きたことを、2024年8月28日に市教委が市長に報告。学校内の「いじめ問題調査委員会」が調べ、児童に対し、複数の児童から暴力などがあった。

 報告書は、学校がいじめを認知するまでに「相当程度の時間」がかかったことや、教職員がいじめやいじめの対応について理解不足があったと指摘している。

 だが報告書では、いじめがあった時期や当時の学年は示されていない。「相当程度」がどれほどだったかも不明だ。「教職員」が担任かどうかや、理解不足によってどのような問題が生じたのかも分からない。

第三者機関の報告書は丁寧に記載

 一方、同じ「重大事態」でも、基礎情報が公開されたいじめ事案もある。弁護士や専門家らで構成する第三者機関が調査し、2025年10月22日付で公表された報告書では、中学校から市教委への報告日や、いじめが深刻化した際の学年が記されている。

 この報告書では教員や学校の取り組みの問題点の指摘や、市教委の体制への提言も含まれており、分量はA4用紙9枚分だった。

 市教委教育指導課の指導主事は、いじめの時期や学年などが非公開な理由について「対象児童生徒やその保護者の意向に反するおそれ、個人の特定から責任追及につながるおそれなどがあるので回答できない」と説明している。

 学校と第三者委の報告書で公表内容に差については「内容や公表すべき点などについては、個々の事案の内容や状況などによって変わる」としている。

保護者が開示請求、公開は1カ月分だけ

 藤沢市内の別のいじめ「重大事態」を巡って、被害生徒の保護者が13カ月分の学校側の対応記録の情報公開請求を行ったところ、公開されたのは墨塗りを施した1カ月分だけだった。

 保護者は2025年12月、生徒が中学に入学した2022年4月から2023年5月までの学校側の対応記録の開示を求めた。

 今年1月に2023年5月分が「部分開示」され「個人を識別できる情報」などの理由から対応内容の半分程度は墨塗りされていた。生徒が1年生だった時の記録が示されなかったことなどについて、保護者は不満を感じているという。

 この「重大事態」は2024年3月から第三者委が調査を始め、間もなく2年となる。

神奈川県が紹介している主な相談窓口

▽24時間子どもSOSダイヤル=電話(0120)078310

▽LINE相談「いのちのほっとライン@かながわ」

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