医療的ケア児 「保護者の終日付き添いなし」でも通学OKに 都教委が決定
「看護師の研修」「緊急時の連絡体制の整備」でOK
東京都教育委員会によると、都立特別支援学校に配置されている看護師は、人工呼吸器の操作をしてはいけない。特別支援学校における医療的ケアの実施要項で、そう定めている。
人工呼吸器が必要な子どもが通学するには、万が一のトラブルに備えて、保護者が終日、付き添う必要がある。そのため、保護者らから、要項の見直しを求める声が上がっていた。
要望を受け、18年度から光明学園(世田谷区)で、19年度から村山特別支援学校(武蔵村山市)で、終日の付き添いなしで子どもたちが過ごすモデル事業を始めた。都教委はこの事業を通じ、看護師が人工呼吸器を操作する研修を行うほか、緊急時の連絡体制などを整えれば、終日の付き添いは不要と判断した。
特別支援学校18校 通学をあきらめた子が学ぶ機会に
対象となるのは、体が不自由な子どもたちが通う18校(23区10校、多摩地区8校)。都教委によると、昨年10月現在で、都立特別支援学校に通学する人工呼吸器を使う子どもは14人いた。
ほかに、保護者が付き添えずに通学をあきらめているケースがあるとみられる。そうした子ども向けに訪問授業が行われているが、週3日、1日2時間に限られる。
担当者は「保護者が付き添えるかに左右されず、すべての子の学ぶ機会を確保したい」と話す。
親の会代表「子どもの自立に向けた大きな一歩になる」
人工呼吸器を使う医療的ケア児の保護者でつくる「東京都医療的ケア児者親の会」の細川宏美代表は「子どもは友だちと一緒にいると、家では見せない表情をする。ずっと親子でいると社会に子どもの居場所ができない。通学は、子どもの自立に向けた大きな一歩になる」と評価した。
医療的ケアが必要な子の保護者付き添いを巡っては、普通学級に通う子どもについても、見直しが進む。文部科学省は今年3月、「真に必要と考えられる場合に限るよう努めるべきだ」との方針を出している。
なるほど!
グッときた
もやもや...
もっと
知りたい