不登校に悩む保護者のための「不登校親の学校」 オンラインで6月開校、卒業後は同窓会も

鈴木みのり (2023年5月13日付 東京新聞朝刊)
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スタッフとミーティングを重ね、学校設立へ準備を進めている新田さん=千葉市中央区のスペース海で

NPO「スペース海」新田さんが設立

 不登校や障害のある子どもが学ぶ千葉市中央区のNPO法人「スペース海」の新田恒夫理事長(68)が、不登校の子の保護者を対象に助言や心のケアをするオンラインの学校設立へ準備を進めている。「親が新たな気付きを得て、家族で元気になれるきっかけを作りたい」。約30年間、生きづらさを抱える子どもと接し、保護者を支える重要性を感じたという。学校は6月に開校する予定だ。

3カ月間 子どもへの接し方など助言

 学校の名前は「不登校親の学校」で、入学から卒業まで3カ月間。学費は3万円(初回入学者のみ1万5000円)で、プログラムは「講義」「相談」「サロン」の3本の柱からなる。

 「講義」は2週間に1回開かれ、新田さんが、心の持ち方や子どもへの接し方を助言する。臨床心理士や新田さんと1対1で話す「相談」は、在学期間中は3回まで無料。気持ちを打ち明け合う「サロン」は月に2回で、卒業後は同窓生が集う会を開く。いずれもZoom(ズーム)を利用する。

自分も…「親を支える必要性」痛感

 新田さんは約30年前にスペース海を開設した。その直後、当時小学3年生だった次男が不登校になった。

 スペース海では、親に「子どもを無理に学校に行かせないでほしい」と伝えていたが、次男の手を引っ張って学校に連れていく自分がいた。その後も不登校の子を支援する中で、親が「このまま朝起きられず昼夜が逆転するのでは」「引きこもり状態がいつまで続くのか」と混乱する様子を目の当たりに。親を支える必要性を痛感し、昨年末から学校設立へ準備を進めてきた。

 「子どもを変えようとしてはいけない。選択肢は、学校に戻ることだけではなく、フリースクールやアルバイトなどたくさんあることを知ってほしい」

 初回の入学説明会は20日午後8時から、オンラインで開かれる。説明会や学校の詳細は、LINEアカウント「不登校チャンネルコミュニティ」(https://lin.ee/Gf4pcHS)に友だち追加して確認できる。

元記事:東京新聞 TOKYO Web 2023年5月13日

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