内申書と高校受験の廃止を 高校生たちが文科省に提言 「高校の義務教育化は主体性を促進する」
榎本哲也 (2023年6月15日付 東京新聞朝刊)
小学生~大学院生の24人でつくる民間の検討会議が、内申書や高校受験の廃止など、学校での子どもの権利保障に関する30項目の提言をまとめた。メンバーの高校生らが14日、文部科学省を訪れ、伊藤孝江政務官に提言を手渡し、政策への反映を求めた。
「学校や先生で違うのは不平等」
提言では
- 校則見直しなどを校長・教員・生徒で議論する三者協議会を学校に設置
- 内申書、高校受験の廃止
- 探究学習や対話型授業の割合を増やす
- 公立小中の給食費無償化
-などを求めている。
提言後、高校3年の山内彩さん(17)は「中学生は受験準備で自分の興味関心に時間を注げない。高校の義務教育化は主体性を促進すると思う」、富沢佑華梨さん(17)は「内申書の付け方が学校や先生によって違うのは不平等」、同2年の荒川陸さん(16)は「(三者協議会で)自分が訴えたことで社会が変わると実感できれば、若者の政治参加にもつながる」と話した。
子どもの権利を尊重した教育とは
検討会議は市民団体「日本若者協議会」の呼びかけで設立。小学生3人、中学生7人、高校生10人、大学生・大学院生4人からなる。公立中高教諭2人もオブザーバー参加している。昨年9月から、有識者の話を聞くなど計7回の会議を開催。こども基本法施行を見据え、子どもの権利を尊重した学校や教育のあり方を話し合った。
提言手交には、同協議会の室橋祐貴代表理事(34)、教育学を専攻する千葉大院生の郡司日奈乃さん(24)も同席した。
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