家でも学校でも借りて読める「電子図書館」コロナ禍で拡大 つくばみらい市の小学校で体験講座
PC、スマホ、タブレットで使える
体験講座の講師は、つくばみらい市立図書館の司書五十嵐惇郎(あつろう)さんが務めた。子どもたちは早速、図書館の利用者カードのアカウントを使ってタブレット端末からログイン。漫画好きの女子児童(10)は「学校の図書室にない本を電子図書館で探したい」と、真剣な表情でタッチパネルを操作していた。
電子図書館では、インターネットを通じてパソコンやタブレット端末、スマホからアクセスすることで、自宅や学校、職場などにいながらにして、好きな時間に電子書籍を借りて読むことができる。
875冊のうち335冊は「読み放題」
つくばみらい市立図書館の場合、紙の本とは別に1回2冊まで、15日間貸し出す。利用者は市内在住や在学、在勤者に限られる。現在、小説や伝記、学習漫画など875冊をそろえ、うち335冊は複数の利用者が同時に借りられる「読み放題」の対象だ。今後、蔵書は充実させていく。
幽霊にまつまわる本が好きだという男子児童(11)は、読み上げ機能を使って文章を聞きながら「とても分かりやすい」と喜んだ。五十嵐さんは「目の不自由な人にも便利な機能です」と説明した。
伊奈小には、図書室と学級文庫を合わせ約1万冊の紙の蔵書がある。学校司書の中村美帆さんは「ページをめくる手触りが心地いいのは紙媒体。デジタルはたくさんの本にふれあえる」と、双方の長所を挙げる。
コロナ禍で非来館サービスに注目
一般社団法人「電子出版制作・流通協議会」(東京都)によると、電子図書館を設けている自治体は2020年1月1日時点では91だったが、2023年4月1日には5倍以上の501に増えた。
協議会事務局の長谷川智信さんは、自治体での導入が急増した要因について「コロナ禍で多くの公共図書館が一時閉鎖され、非来館サービスが注目されたのが大きい」と指摘する。
茨城県内で現在、電子図書館があるのは17市。コロナ禍以降では、取手、笠間、桜川、日立、高萩、稲敷、常陸太田、つくば、かすみがうら、つくばみらいの10市で新たに開設された。
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