千葉県の公立高入試で900件の採点ミス 県教委がマーク式導入やデジタル化など改善策を公表
加藤豊大 （2023年7月20日付 東京新聞朝刊）
デジタル採点システムの画面イメージ。答案を正答や他の複数の答案と並べて表示させることができる（県教委提供）
昨年度の千葉県内公立高校入試で計900件超の採点ミスがあったことを巡り、千葉県教委は19日、第三者委員会からの提言を踏まえ、再発防止に向けた改善策を発表した。本年度の入試から、マークシート式の解答用紙や、教職員がパソコン画面上で記述式問題の答案をチェックできるシステムを導入し、採点業務のデジタル化を進める。
記述式も「デジタル採点システム」で
受験者にとっては、マークシートを塗りつぶす解答法に新たに慣れる必要があるが、記述式と選択式が混在した問題であることや、各科目の出題内容は昨年度までと変更がない。新しい解答用紙のサンプルは、8月中旬ごろから公表する予定という。
改善策では、選択式問題に自動採点のマークシート式を導入する。記述式については「デジタル採点システム」を活用。答案をスキャンしてパソコン画面に映し、正答や他の複数の答案と見比べながら採点でき、得点も自動で計算される。同様のシステムは茨城県や東京都、神奈川県などで導入済み。一つの答案用紙につき二手に分かれて採点をし、点数が不一致の場合はやり直す。
合否のボーダーライン付近の受験者は、誤りがないか全ての答案を改めて点検する。
採点の過密スケジュールがミスの一因
第三者委の提言では、入試から合格発表までの期間が短く、採点を担当する教職員らの過密スケジュールがミス多発の一因とされた。このため、採点に集中できる「臨時休業日」を各校の希望に応じて新たに設けられるようにする。
同日県庁で会見した石川康浩学習指導課長は「受験者にはしっかりと変更について説明し、不安を払拭する。新たな採点システム利用に当たりミスがないよう、教職員の研修を徹底する」と話した。
昨年度の高校入試では、公立の全127高校のうち77％の98校で計933件の採点ミスがあった。5校を受験した6人が合格点に届いていたのに不合格と通知され、一時私立高校入学の手続きを進めるなどした。
1
なるほど！
0
グッときた
3
もやもや...
1
もっと
知りたい
改めて記事を読み直したが、方法を見直してミスが減るかは大いに疑問である。
私が勤めていた都道府県と比べ、千葉県の受験生はかなり多いようだ。受験生が仮に200人であれば、各教科６～８人（当然５教科の担当以外の教員も採点に加わるのである）は必要である。まず採点者が確保されているのか。
次に「スキャンして機械に読み込ませて」ということであるが、機械が故障した時はそこで採点がストップしてしまう。危な過ぎて、私だったらやりたくない。どうせやるなら全てマークシートにして機械に読ませるのならまだ理解できるが（故障しても人力で補える）。
最後に、最大の問題が残っている。記事もあるように過密スケジュールである。千葉に限らず、全国で３月の授業時数のカウントは卒業式＆修了式合わせて２日だけで良いではないか。試験１日、面接（やるのなら、の話であるが）１日、採点１日、合否判定１日は最低確保したい。在校生を気にしないで仕事をやれるのは精神的に随分楽になるはずだ。教員は決してこの期間遊んでいる訳ではない。最も忙しい期間なのだ。むしろこの時期くらいは完全に保護者に（子供の）監督を戻すべきである。もう高校生なのだから一人で時間を潰せるはずだ（部活に縛られないで）。なお、本件とは無関係だが、異動予定者は引っ越しの準備にも時間を割ける（最近は、引っ越し業者が確保できず、年度内に移動することが難しくなっている）。
先にも書いたのだが、文科省はモンペや似非評論家に屈せず、根拠が不明瞭な標準授業時数の削減に舵を切るべきである。余裕をもっての取り組みこそがミスを減らす最善の措置である。
私は他の都道府県で教員をやっていたが、毎年入学試験、「入選」の時期は憂鬱だった。自校の卒業式も同時期にあったし、とにかく３月は教員にとってスケジュールが過密でストレスが溜まった。
それでも、採点日は１日独立していたので、１回の採点、２回の見直し、得点入力、成績表印刷の時間が確保され、余裕は無かったが、採点ミスは事前に防がれていたと思う。
ただ、私の都道府県でも学校によっては、授業時数の確保だか何だか知らないが、半日は生徒を登校させている所もあったと聞いている。しかもそういう学校が採点ミスを犯したとの話もあった。採点には万全を期すために余裕をもって取り組ませて頂きたいものである。
従って、千葉県の先生方は気の毒に思える。