耳鼻科、眼科… 学校健診後に受診を勧められたら?〈森戸やすみのメディカル・トーク〉

(2024年6月25日付 東京新聞朝刊)
イラスト

イラスト・横田眞未子

「子どもだから小児科」ではなく

 お子さんが学校の健康診断の結果を持ち帰る時期ですが、なぜこの時期に集中するのかご存じですか。日本では学校保健安全法で4~6月に健診を行うことになっているからです。学校には子どもの健康を守る義務があり、同法は学校医に加え、歯科医師と薬剤師を置くことも定めています。

 個人を対象に特定の病気の有無を調べる「検診」ではなく、問題がないかふるいにかけるスクリーニングなので「健診」です。

 健診の結果によって、学校は保護者に受診を勧めなくてはいけません。子どもだからと小児科を受診させる保護者がいますが、耳鼻科健診の結果なら耳鼻科を、眼科健診だったら眼科を受診しましょう。

「小児○○科」でなくてもOK

 ここで「では小児科は何を診るところ?」という疑問がわくかもしれません。小児科は内科から分かれた診療科で、子どもに多い病気や成長発達の問題を治療する科です。大人が内科にかかる代わりが小児科だと思ってください。

 最近は「小児皮膚科」や「小児歯科」といった看板をよく見かけますが、小児分野では、医科は広告可能な専門医として日本専門医機構が認めるのは「小児外科」だけで、歯科は日本歯科専門医機構が「小児歯科」を広告可能な歯科専門医として認定しています。「小児◯◯科」と標榜(ひょうぼう)するのは患者さんがかかりやすくするためなので、「小児眼科」「小児皮膚科」と書いていなくても、通常の眼科や皮膚科を受診することができます。

森戸やすみ(もりと・やすみ)

 小児科専門医。1971年、東京都出身。一般小児科、新生児集中治療室(NICU)勤務などを経験。「子育てはだいたいで大丈夫」(内外出版社)、共著に「やさしい予防接種BOOK」(同)など、医療と育児をつなぐ著書多数。「祖父母手帳」(日本文芸社)も監修。子どもの心身の健康や、支える家族の問題について幅広く伝えます。

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