教員不足が深刻な川崎市 育休など「年度途中の確保は厳しい」 解消を求める請願は不採択
北條香子 (2024年11月4日付 東京新聞朝刊)
川崎市で深刻な教員不足がさらに加速し、全市立学校での不足数は9月1日時点で約170人に上ることが分かった。産休や育休、休職などによる年度途中の職員不足が深刻化しており、市教育委員会は正規教員の増員が必要だとして、文部科学省に対して財政的な支援を求めている。
採用の辞退者増、退職者も5年で最多
市教委によると、女性の産休取得者数は例年240人前後だが、男性を含めた育休取得者数や休職者数は増加傾向にある。産休や育休は年度途中で取得する教員も多く、9月1日時点では348人が取得している。しかし、欠員の代替となる臨時的任用職員を十分に配置できず、市教委の担当者は「年度途中の人材確保は厳しい」とも漏らす。
年度途中で生じる欠員に備えて、年度当初に教員を多めに採用する場合、国庫負担金の対象外で、市の財政負担が増えることになる。このため、市は6月、文科省に「代替教員の確保は年度後半ほど困難で、人材を早期に確保する必要がある。義務標準法を超える正規教員を採用し、産育休の代替として配置するなどの工夫も必要」として、国庫負担の対象拡大などを求めた。
正規教員の確保も課題に直面している。教員採用試験で合格しても採用を辞退する人の割合も増えつつあるほか、2023年度には定年以外の理由で退職した教員が過去5年で最多の189人になった。本年度も4月5日時点で教員の不足数は約130人で、約60人だった前年同時期の2倍以上に上る。
こうした中、市議会では先月、教職員の欠員や未配置の解消を求める請願が審査された。しかし、「正規教員数の確保を目的とした選考基準の引き下げで、教員の質の低下が懸念される」「改善に向けた市の取り組みは妥当性が認められる」などとして、不採択となった。
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「すくすく」には川崎市の教育に関する問題が他にも上がっている。僭越ながら、それら(例えば「プールの水出しっ放し問題」)を俯瞰的に観てみると、本題における人件費予算の問題もさることながら、首長である福田市長の哲学と市教育委員会の方針が根っこにあるように感じられる。
市長や市教委が「教育に金は割けない」と考えているのであれば、学校が出来る仕事を減らすしかないだろう。私は他の記事(例えば「#教師のバトン」関連)において、学校内部から見た「減らせる仕事」について指摘してきた。PTAの廃止も一つの提案である。
文科省は短絡的に「給料を上げれば人材も確保できる」と考えているようだが、日本国の財政が(表向きは?)借金まみれなのに一体どこから金が降ってくるのだろうか?素朴にそう考えてしまうが、可能であればどなたか私の邪推を正して頂きたいもの。
「もうやらなくても良い仕事は全て(本来の)当該の窓口に戻します」と文科省が宣言するだけで「先生になりたい!」と考え直す人は増えるように思うが、どうだろう?