【品川区】医学部生など対象に「返さなくていい」奨学金導入へ 中学の制服と修学旅行も無償化〈首都圏の子ども予算案2025〉

品川区役所
経済的な理由で諦めないで
2025年度当初予算案に事業費約5600万円を計上する。26年度に医学系(医、歯、薬、看護学)や理工農系の学部への入学を目指す区内在住者を対象に、今秋ごろに募集を始める予定。
都内では足立区や港区が給付型奨学金を設けており「目安として4人世帯で世帯年収800万円以下」(足立区)といった所得制限がある。品川区は学費が高い学部を目指す場合、標準的な所得があっても負担が大きいと判断した。
毎年54万円を4年間(医学部などは6年間)給付する。限度額内で入学料や授業料などを全額給付する足立区に金額は及ばないが、募集人数は同区(各年度40人ほど)の2倍を超える。
品川区の関係者は「医学部などはよほど高所得の家庭でない限り、経済的理由で進学を諦めざるを得ない現状がある。親の経済状況にかかわらず、意欲のある学生を幅広く後押ししたい」と意義を強調する。
面接などで選考し、学力試験は設けない。卒業後の地元就業などは条件とせず、地域の行事や防災訓練、ボランティアへの参加を要件とした。
所得制限なしは23区内で初
そのほか、区立中学校に入学する生徒らを対象に、所得制限なく制服を全額無償化するための予算として、約1億円を計上した。無償にするのはブレザー、ジャケットとスラックス、スカートの上下。区によると、制服無償化は東京23区で初の取り組みという。
対象は26年度に区立中へ入学見込みの1900人と、区内在住で特別支援学校中学部に入学見込みの30人。これまで各家庭が約3万3千~約5万2千円ほど負担していた制服代を区が支出する。
また、25年度からは、中学校の修学旅行費も所得制限なく無償化するため、約1億3500万円を盛り込んだ。過去の費用を参考に、1人当たり7万5千円を上限に実費を区が負担する。森沢恭子区長は「物価高騰で子育て世帯は厳しい状況に置かれている」と支援の意義を説明した。
共働き世帯で両親が朝早く出勤する小学生のため、25年度から区立小学校などに「朝の居場所」を設ける方針で、事業費約5700万円を計上した。体育館などの学校施設内に設け、希望する子にはパンやおにぎりなどを無償提供する。25年度の1学期に3校で試行し、全37校に順次広げていくという。
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