都立小児医療センターが新型ドクターカーを導入 遠隔で医師が容体把握、より的確な治療を
宮本隆康 (2025年9月9日付 東京新聞朝刊)
東京都立小児総合医療センター(府中市)は、新型の小児用ドクターカーを導入した。受け入れ側の病院が遠隔医療システムを使い、搬送中の子どもの容体をリアルタイムで共有できるのが特徴という。

病院のキャラクターが描かれたドクターカー=いずれも府中市で
以前はスマホで子どもの様子を撮影
医療センターによると、新型車両では病院側が車内のカメラを遠隔操作し、映像をパソコン画面で見ることができる。ズーム機能で瞳孔の状態などを確認することも可能。血圧やエコーなどの測定機器の画面も共有し、搬送中の子どもの詳しい容体を把握できる。
このため、病院にいる専門医が遠隔で指示を出したり、より早く的確に到着後の診療の準備を整えやすくなる。

遠隔医療システムが搭載されたドクターカーの内部
これまでは乗車した医師らがスマートフォンで、子どもの様子や測定機器の画面の画像を送っていたが、撮影する余裕はあまりないのが実情だった。
このほか、子どもの不安を少しでも軽くしようと、女子美術大の学生に依頼し、親しみやすい医療センターのキャラクターを車体にあしらったのも特徴。
医師らが乗り込む小児専用のドクターカーは、都内に数台しかないという。症状の重い子どもの緊急搬送などに使われ、同センターでは昨年度の出動は132件だった。
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