溶連菌が都内で初の警報レベル インフルや咽頭結膜熱も流行中 年末年始に備えて解熱剤や検査キットの用意を
渡辺真由子 (2023年12月22日付 東京新聞朝刊)
年末年始を前に、各種感染症が流行している。東京都内では、小児を中心に舌がイチゴのように赤くなるなどの症状が出るA群溶血性レンサ球菌咽頭炎(溶連菌感染症)が、1999年の調査開始以降初めて警報基準に達した。インフルエンザや咽頭結膜熱の患者報告数も一定基準を超え、専門家は手洗いやマスク着用などの対策を求めている。
A群溶血性レンサ球菌咽頭炎(溶連菌感染症)とは
春~初夏や冬に、学齢期の子どもを中心に流行する感染症。38度以上の発熱やのどの痛み、舌がイチゴのように赤くなるなどの症状が出る。発症時は抗菌薬で治療する。熱は3~5日程度で下がり、1週間以内に症状は改善する。まれに重症化し、全身に発赤が広がる「しょうこう熱」に移行することがある。
インフルは14週連続で注意報基準
東京都によると、直近1週間(11~17日)の1定点医療機関あたりの溶連菌感染症の患者報告数は6.05人。都は21日、患者報告数が警報基準(8.0人)を超えた保健所の管内人口の合計が、都全体の人口の3割を超えたとして、警報基準に達したと発表した。
インフルエンザの患者報告数は20.48人。14週連続で注意報基準を超えた。
一方、冬場に流行を繰り返してきた新型コロナウイルスは2.58人にとどまる。10月から警報基準を超えている咽頭結膜熱は3.36人。ノロウイルスやロタウイルスなどでの感染性胃腸炎は10.25人となっている。
海外でもさまざまな感染症が流行
12月上旬の東京都感染症対策連絡会議で、国立国際医療研究センターの大曲貴夫医師は「海外でもさまざまな感染症が、普段と違う時期に流行しており、国内でも同じ状況。感染防止対策を取ってほしい」と述べた。
東京都医師会の猪口正孝顧問は、12月29日~1月5日は多くの医療機関が休診するとして「新型コロナの検査キットや解熱剤などを家庭で準備してほしい」と呼びかけている。
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