小1プロブレムを防ぐ「小学校体験ルーム」とは? 授業を受けて給食の配膳も 子どもは不安が和らぎ 「通うのが楽しみ」に
松戸市が千葉県内初の「常設」
小学校に入学した子どもたちが授業や生活になじめず、さまざまな問題行動を起こしてしまう「小1プロブレム」。これに対処するため千葉県松戸市は、幼稚園や保育園児に一足早く学校生活に親しんでもらう「わくわく!小学校体験ルーム」を市内の小学校で実施している。市内全域を対象にした常設の体験ルームは県内初という。21日、市立松飛台小に開設した体験ルームの様子を報道陣に公開した。

保育士に手伝ってもらいランドセルを背負ってみる園児=松戸市で
小1プロブレムとは
幼稚園や保育園から小学校に上がった後、落ち着かない状態がいつまでも解消されない問題。具体的には、先生の話や指示を聞くことができない、集団行動が取れない、授業中、勝手に立ち歩いて教室から出て行くなどがある。授業規律が成立しない状態が数カ月にわたって続く。
空き教室を利用 ピアノもある
松戸市は昨年12月から、市内の幼稚園、保育園、認定こども園の年長クラスで、入学を控えた主に5歳児を対象に同校で試行的に体験ルームを実施してきた。
今年3月までの4カ月間で約400人が利用し、好評だったことから、9月には市立馬橋北、大橋の両小も加え計3校に増やした。
9月末現在で51園の約1800人が予約を申し込んでおり、来春、入学を控えた園児の半数を占める。松飛台小では空き教室を利用し、ピアノを持ち込むなどして専用の体験ルームを整備した。
ランドセルや防犯ブザーも体験
この日は市立六実保育所の園児15人が小学校を体験した。保育士が先生役になり、国語と音楽の授業を受け、板書や給食の配膳を練習した。実際にランドセルを背負って、防犯ブザーを鳴らしてみた。

音楽の時間に合唱する園児たち=松戸市で
最初は緊張した面持ちで6年生の授業を見学していた子どもたちも、すぐに教室に慣れ、間違い探しに没頭したり、元気に合唱したりした。
保育士にとっても、意義がある
参加した尾高歩実ちゃん(5)は「国語の勉強が楽しかった。廊下が滑るので危なかった。小学生になってお姉ちゃんと一緒に通うのが楽しみ」、児玉知華ちゃん(5)は「学校は楽しかった。(男女が別々の)トイレが違っていた。国語の勉強が楽しみ」と話していた。
小学1年生を担任したことがある同校教務主任の岩崎大樹さん(36)は「1人でやらなければならないことが増え、ゼロから教えるのは大変。子どもたちの不安が少しでも和らいで、わくわくしながら楽しく学校に来てくれれば。保育士にとっても、何をトレーニングし、練習すればいいか分かり、入学の準備ができるのでは」と体験ルームの意義を強調していた。
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「幼保小連携、小1プロブレムの対応策」としての活用だけでなく、「学校に戻りたいけれども、心理的な抵抗感や障壁がある不登校児」の、アセスメント・リハビリ・再登校シミュレーション施設として、心理士・師、OTPTSTの在室・派遣も含めて、活用していただけるといいな、と思いました。
再登校を目標としない施設では、しない・できない体験が、できると思います。