歯磨き「シャカシャカ」はNG? 幼児向けの歌詞にもあり、音を立てて磨くイメージだけど…意識したいポイント2点

(2025年10月24日付 東京新聞朝刊に一部加筆)
 子どもの虫歯を予防する歯磨きの方法を取り上げた記事「子どもの虫歯、乳歯も油断禁物!」で「3歳ごろは、シャカシャカという音が聞こえないくらいやさしく磨いて」という専門家のアドバイスを紹介したところ、歯科衛生士の読者から「私は記事とは逆に『シャカシャカという音が聞こえるように』と指導している。どちらが正しいのか知りたい」と質問が寄せられた。
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子ども用の歯ブラシ

「小さく」動かし、「やさしく」磨いて

 たしかに、「シャカシャカ」という歌詞がある幼児向けの歯磨きの歌は複数あり、歯磨きといえば音を立てて磨くイメージだ。記事で取材したサンスター財団の歯科衛生士、平塚江玲奈(えれな)さんにあらためて聞いた。

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サンスター財団の歯科衛生士、平塚江玲奈さん(本人提供)

 平塚さんが強調したかったのは「『小さく』動かし、『やさしく』磨く」ことだという。乳歯を1本ずつしっかり磨けるように、歯ブラシを細かく動かすこと。毛先が広がらない程度のやさしい力で磨くこと。この2点を意識する。これらのポイントは大人でも同じだ。

 歯と歯茎の境目は汚れが付きやすく、磨き残しも多いため、力を込めてしまいがち。すると、歯茎が下がり根元のやわらかい部分が露出し、知覚過敏になるリスクが生じる。

リズミカルに伝えるのは有効 その上で

 ただ、「幼児への指導では楽しくリズミカルに伝えるのは有効。私も『シャカシャカ』『シュッシュ』とよく伝える。最初のステップで『シャカシャカ』と伝えるのは問題なく、さらに踏み込んで『小さく、やさしく』と伝えては」と提案する。

 幼児の歯ブラシの持ち方は「子どもの虫歯、乳歯も油断禁物!」の記事で取り上げたので、今回は小学生~大人の適切な持ち方を紹介したい。平塚さんは「グーで握る人が多いが、力が入りすぎてしまう」と指摘。鉛筆を持つように握る「ペングリップ」だと、適度な力で磨けるという。

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グーで握ると、力が入りすぎてしまう(平塚さん提供)

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鉛筆を持つように握る「ペングリップ」だと、適度な力で磨ける(平塚さん提供)

 歯ブラシの見直しも大事だ。「ブラシの部分は上の前歯2本分の長さが適切。毛先が開くと歯の汚れが落ちにくくなるため、1カ月に1本を目安に交換してほしい」

平塚江玲奈(ひらつか・えれな)さん

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 一般社団法人「サンスター財団」口腔保健部歯科保健チームの歯科衛生士。幼稚園・小学校・中学校における歯科保健指導に積極的に取り組む。成人を対象とした口腔ケアセミナーの講師としても活動する。

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