3歳の娘が「ママがいい」「パパがいい」…振り回されて歯磨きやお風呂が進みません〈宮里暁美の子育て相談〉

(2023年9月19日付 東京新聞朝刊)

宮里暁美の子育て相談

強く泣くことも。どう受け止めれば?

 3歳の娘が歯磨きやお風呂を嫌がります。父親が歯を磨こうとすると「ママがいい」と言い、逆に母親が磨こうとすると「パパがいい」と訴え、時には強く泣くので寝る準備が進みません。娘の訴えを、どう受け止めたらいいのでしょうか。(30代父親)

座ったままこちらを見上げる子どものイラスト

イラスト・永須華枝

時には親子ともにクールダウンを

 お子さんが自分の意思をはっきりと示せるようになった頃に出会う、子育ての悩みですね。わが家と同じだ!と共感されている方も多いのではないでしょうか。

 歯磨きやお風呂を嫌がるのはなぜなんでしょうか。何かをしている時に声がかかるから嫌なのかもしれません。なかなか動こうとしないわが子に「まだ今じゃない気分?」と聞いてみると「うん!」という返事が返ってきたことがありました。そこで「今!がきたら教えてね」と伝えたら、しばらくして「今!」と言ってきて、次の行動に移ったことがありました。4歳くらいの時だったと思います。

 相談者のお子さんは3歳ですから、もう少し先には、そんな未来が待っているかもしれませんよ。このお子さんのかわいいところは「パパじゃダメ」とか「いや」とは言わずに「ママがいい」と言っているところです。拒否のサインではなく改善策を提案している、ととらえるとちょっといい感じに思えてきませんか?

 ところが話はそう簡単ではなくて、ママに代わってみたら今度は「パパがいい」と言う。パパに代わると「やっぱりママがいい」と言う。これが繰り返されると「もういいかげんにして!」と言いたくなりますよね。お子さんの言動にイライラが膨らんでしまったら、「もういい!」「好きにして!」と投げ出してしまうのもありだなと思います。そうやって親子ともにクールダウンするというのも大事な方策です

 人は、そもそも「しなさい」と指示されるのが好きではありません。私も指示されるのが嫌いなタイプでしたから、よく親にあきれられていました。そんな私に手を焼いた親から「自分が困ればわかるでしょ」と言われた記憶が残っています。大人になった今は、自分で自分に語りかけています。「自分の責任は自分で負うんだよね」と。

 (文京区立お茶の水女子大学こども園・前園長、お茶の水女子大学特任教授)

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