幼保無償化から外れる”類似施設” 「線引きせず、全ての子どもに無償化を」本紙報道に反響
大野暢子 (2019年7月19日付 東京新聞朝刊)
国の幼児教育・保育無償化の適用外となる「幼稚園類似施設」が首都圏に少なくとも26あるとの東京新聞の報道に、読者から不公平さを指摘する声や、どんな施設が適用外になるかなどの質問が寄せられた。参院選公約で各党は幼稚園類似施設の扱いに触れていないが、保護者らの関心は高く、無償化への願いは切実だ。
「子どもを一番に考えている園なのに…」
「頑張って子育てをしているのに、他と差をつけられる。子どものことを二の次にしている施設ならいざ知らず、子どもを一番に考えている園が経営難に陥るのは納得がいきません」。子どもが類似施設に通う東京都杉並区の女性のメールには、やり切れない思いがあふれていた。
10月に無償化が始まると、幼稚園の利用世帯は、所得や働き方に関係なく年間約30万円まで負担軽減される。一方、類似施設の利用世帯は適用外で入園者減少が懸念される。女性は同じ境遇の施設と連携し、行政に救済を求めることを検討している。
共働き世帯の利用が少ないと「恩恵」なし
「私どもの施設は、このような調査でも蚊帳の外なのか」とのファクスを寄せたのは、新宿区で認可外保育施設を運営するNPO法人「こどものくに」理事の林田道子さん(65)だ。
認可外施設は共働き世帯などに限り無償化されるため、本紙は集計に含まなかった。ただ、共働き世帯の利用が少ないと無償化の恩恵はほとんどない。林田さんの施設はそうした例だ。
「制度のはざまに立つ施設を知ってほしい」
林田さんは「認可保育所に入れない世帯や日本に来て間もない外国人児童らを、公的補助なしで支えてきた。制度のはざまに立つ施設の存在を知ってほしい。施設の種類で線引きせず、全ての子どもを無償化してほしい」と訴える。
対象外の施設名を公表してほしいとの意見もあった。公表を望まない施設もあったため、紙面では示さなかった。
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