保育園探しから見学予約、入園手続きまでスマホで完結 東京都が保活ワンストップ化 国は2026年度以降に全国展開へ
1園ずつHP探し、電話する手間
「保育園の情報を網羅的に知ることができない」「見学申し込みの電話に手間と時間がかかる」
保活では保護者が育児や家事の合間に何カ所も問い合わせ、つながらないこともある。その電話応対によって保育士の業務負担が増える要因にもなっている。東京都が始めた「保活ワンストップサービス」では、そうした保護者、保育士双方の負担を減らす。
都によると、本年度は板橋、足立両区と調布市の公立園と参加を希望した私立認可園の計126園が対象。スマートフォンやパソコンから民間の保活サイト「えんさがそっ♪」と「hoiciL(ホイシル)」で保育園情報が一覧でき、見学予約ができる。そこから自治体の入園申請ページにつながり、オンラインで手続きも可能だ。
都は、デジタル技術による社会変革を指す「デジタルトランスフォーメーション(DX)」推進のため、100%出資する一般財団法人「GovTech(ガブテック)東京」を昨年設立。理事長に元ヤフー社長の宮坂学副知事が就き、サービス変革の突破口として、若い世代が利用者に多い子育て分野の「こどもDX」を進めている。
ガブテック東京が園情報を集約するシステムを開発し、民間業者の保活サイトや自治体などと連携する仕組みを整えた。参加園は現状、板橋、足立の認可保育園の約4分の1、調布は半数に限られるものの、10月31日にサービスを開始し、今月15日時点で約130件の見学予約がされたという。
まずは3区市、来年度に拡大へ
自身も約10年前に保活を経験した都デジタルサービス局こどもDX推進担当課長の竹内智美さんは「保活は、子育て家庭が自ら行政の福祉サービスを求めて動く最初の一歩。情報にたどり着けない、電話がつながらないといった不安やストレスを、デジタル化でスムーズにし、安心感も提供できたら」と話す。
子育てや保育分野のデジタル化は国でも進めており、今回は全国での活用を見据えた実証事業になる。本年度の事業費は国のデジタル田園都市国家構想交付金3億7500万円を含む5億円。都は来年度、参加自治体を増やす予定で、国は都の取り組みを踏まえ、2026年度以降の全国展開を目指す。
保活とは
保育園入園に向けた園探しや見学、利用申請などの活動。保育園には認可と認可外があり、認可施設は自治体に利用申請し、保護者の就労状況などで優先度が高い人から入園が決まる。認可外は原則、施設との直接契約で、個別に申し込みが必要。
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