8月31日は野菜の日 ことしはキャベツがお手頃 ホテルの料理長おすすめ「グラタンスープ」はいかが

中根真依 (2025年8月29日付 東京新聞朝刊)
 8月31日は「野菜の日」。旬の夏野菜が高温や水不足の影響で高騰する中、平年よりも手頃な価格で流通している野菜がある。群馬や長野などの冷涼な地域で取れる夏秋(かしゅう)キャベツだ。家計に優しい野菜を日々の献立に活用してみてはどうだろう。
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売り場に山積みになった群馬県産のキャベツ=名古屋市港区のタチヤみなと店で

過去5年の平均92円を下回る

 名古屋市港区のタチヤみなと店では、山積みのキャベツを買い物客が絶え間なく手に取っていた。税込みで1玉138円。市内の主婦(76)は「一時期に比べて価格が落ち着いているので、なくなると買っている。千切りにして付け合わせに使いたい」とかごに入れた。

 東京都中央卸売市場のキャベツの価格は、25日時点で1キロ81円。平年(過去5年平均)の92円を下回る。一方、トマトは1キロ609円(平年432円)、キュウリは同447円(同387円)と平年を上回っている。吉田有輝店長(39)は「高温で熟し過ぎるのか、トマトは数量の確保が大変。キャベツは台風などの影響がなければ安定が続くのでは」とみている。

 夏秋キャベツの一大産地、長野県と接する群馬県西部の嬬恋村。54年連続で生産量日本一を誇り、標高700~1400メートルの高原にキャベツ畑が広がる。この時期、日中の気温は30度前後で、夜から朝にかけてぐっと下がって20度ほど。朝夕の寒暖差が大きいことで朝霧が発生し、甘くてみずみずしいキャベツが育つ。

ビタミンが豊富で胃腸を整える

 JA嬬恋村によると、今年はほぼ計画通りに作付けができ、十分な流通量を確保。6~11月のシーズン中、約19万トンを出荷する見込みという。営農経済部の黒岩正信さん(53)は「畑に合った品種選びなど、生産者の努力で良いものが収穫できている」と話す。

 食物繊維やビタミンが豊富。キャベツから発見されたビタミンUは「キャベジン」とも呼ばれ、胃腸を整える働きがある。生でも、煮たり焼いたりしてもよく、料理の幅は広い。

 同村農林振興課によると、地元の農家がよく食べるのが「キャベツの油炒め」。食べやすい大きさに切って適量の油で炒め、しょうゆと砂糖で味付けする。炒めずに油をかけて煮込むなど、各家庭の作り方があるという。

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キャベツのグラタンスープ

 嬬恋村にある万座プリンスホテルの藤原光弘料理長(59)に「キャベツのグラタンスープ」を教わった。

【主な材料・4人分】キャベツ300g、タマネギ150g、ニンニク1片、固形スープのもと2個、フランスパン4切れ、シュレッドチーズ12g、パルメザンチーズ4g

【作り方】

<1>キャベツ、タマネギは薄く切る

<2>鍋にオリーブオイル50ミリリットルとニンニクを入れ、(1)を軟らかくなるまで炒める

<3>ひたひたの量の水とスープのもとを加え、塩・こしょうで味を調え10分煮込む

<4>フランスパンは7mmの厚さに切り、トースターで軽く焼く

<5>(3)のスープを器に注ぎ、(4)をのせ、チーズをかけてトースターで焼き上げる。

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