子どものお手伝いを習慣化するコツは? 専門家が解説 「家事は大変」はNG、ほめるより感謝を
“刷り込み”を避けるには
洗濯物たたみは1枚1円、テーブルと床ふきは1回20円-。名古屋市千種区の女性(39)が、小学2年の長女に払う“報酬”だ。
ただ、長女が取り組むのは週1回程度でタオルをたたむなど、楽な作業ばかり。内容に応じてお小遣いを払うのは、子どもの自立に向け、お手伝いを自分の仕事として責任を持って取り組んでほしいと思うからだ。「でも、やるのは気分が乗ったときだけ」と悩む。
子どもがお手伝いに前向きでない場合、どうすればいいか。「まず家事が大変だという態度を、保護者がとらないこと。子どもに面倒くさいこととして刷り込まれてしまう」と、親子向けに家事講座を開く「粂井塾」(東京)塾長の粂井龍三さん(25)は話す。

水気が切れるぞうきんの絞り方を紹介する粂井龍三さん=東京都内で
粂井さんは2017年から講座を開く中で、女性と同様の声をよく聞くという。講座では、子どもに対して家事をすると物事を工夫する力が付いたり、周囲の人を思いやる気持ちを持てたりして、成長できると説明するようにしているという。
まずは家事を「リスト化」
子どもが担うお手伝いを決める際には、家族で日々の家事をリスト化する。例えば「新聞をとってくる」「食器を洗う」など。リストにはチェック欄を設け、子どもが選んだものに印をつけてもらう。

空欄になっているところは親がやっている家事。その多さを子どもが気付くよう働きかけると、子どもが「もっと自分がやろう」との思いも抱きやすくなるという。
完璧を求めないのが大切
講座に協力する粂井さんの母優子さん(59)は、リスト化する際に、「どんな家にしたい?」と子どもに聞くことも勧める。例えば「いつでも友達を呼べる家」なら、そのためにどんなお手伝いをすればいいか子どもに考えさせる。
親が子どもに完璧を求めないことも大切だ。テーブルを隅までふけなくても、ふいたことを認め、感謝を伝える。その上で「もっとこうすると良くなるよ」とアドバイスする。
「減点ではなく加点方式で。週1回もやれたと考えればいい」と優子さん。粂井さんは「ありがとうと言われると、子どもは役立っていると感じられる。ほめるよりも感謝を伝えて」と呼びかける。
自立心が高くなる効果も
お手伝いには、どんな効果があるのか。幼児教育や子どもの発達に詳しいお茶の水女子大の浜野隆教授(教育社会学)によると、お手伝いをすることで家族の役に立ち、認められる経験になり「挑戦してみよう」という心が育つ。「家事や手伝いをよくする子ほど自立心が高く、将来のキャリアへの意識も成熟するとの研究がある」と話す。
お小遣い制については「きっかけとしてあってもいいが、報酬がないとやらなくなることもある」と注意を促す。
「助かったよ」といった親からの声かけなど、子どもがお手伝いに満足感や楽しみを見いだせるよう、さまざまな方法を組み合わせることが続けられるこつという。
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