おいしい野菜の向こう側 パルシステムの親子にやさしい産地ツアー〈PR〉
野菜の生産者を訪れて、親子で日帰り収穫体験
「産直」と聞いてもなんとなく「いいもの」という気がするだけで、実は産直が本当のところ何を意味しているのかは、よく分からない。
そうやってぼんやりした疑問を持ちながら参加したのは、生協の宅配でおなじみのパルシステムが主催している親子にやさしい産地ツアー。小さいうちに自然にふれさせたい。でも、子どもと一緒だとなかなか遠出は大変…。そんなお父さんお母さんたちを応援するベビーカーでも体験できる企画に、0歳も含めた総勢50名で提携産地の畑を訪れました。収穫しながら実感した、人と人がつながる野菜の話をお届けします。
土の力強いにおいに包まれながら、はじめての農作業
野菜や米、肉、魚といった食材の生産者のもとへ、食べる側の私たちが訪れるパルシステムの産地ツアー。今回の訪問先「有限会社 沃土会(よくどかい)」は、埼玉県深谷市の生産者団体。微生物の力を利用して豊かな土を育てることで、化学合成農薬や化学肥料に頼らない野菜づくりに取り組んでいて、約30軒の農家さんがいるそうです。
都心からバスに乗って約2時間で沃土会に到着。親子で手をつなぎ、ニンジン畑を目指します。
まずは「おいしいニンジンの選び方」を沃土会代表の矢内克志さんが教えてくれました。「葉が大きいニンジンが大きく育ったおいしいニンジンだよ、頭が出ているのを探してみよう」
畑に入った子どもたちは、ニンジンのふさふさの葉をかき分けてこれぞという1本を探し出すと、根元近くを持って「せ〜の!」
引き抜くやいなや「ママ〜、見て、見て、見て!」と満面の笑み。「次はどれをとろうかな」と一生懸命ニンジンの葉を見極める子どもの様子に、たくましさを感じます。とったばかりのニンジンの先っぽを、こっそりかじって味見している子も。
この日収穫したニンジンの品種は「向陽(こうよう)」。春まきのニンジンで、子どもにも食べやすいとパルシステムで特に人気なのだそうです。「自分で野菜をとると、なんでだろうねえ、いつもはヤダって言う子もおいしいって食べてくれるんだよね」とは、生産者の丸山幸生さん。
すごい!楽しい!の気持ちが野菜と生産者への愛着に
続いてトウモロコシ畑、そしてピーマン畑へ。群馬の赤城山からの強い風が吹く土地ならではの栽培方法や難しさ、今年の畑の状況(風や霜の影響など)を教えていただきました。大人は何気なく食べてきた野菜がどう育てられてきたかの話に興味津々、子どもは大きな獲物を見つけようと早く畑に入りたくて仕方のない様子。
「さあ、トウモロコシを収穫するよ!」と生産者さんからの呼びかけに「わーい!」と大喜びの子どもたち。自分の背丈よりも大きなトウモロコシに目を輝かせながら畑をずんずん進んでいきます。
「とうもろこし、いいにお~い」
早速とうもろこしの皮をむいて、とれたてのかおりを全身で感じる子どもたち。「このとうもろこしはミルフィーユって名前なんだって。おじさんに聞いたんだよ」と誇らしげに教えてくれました。
「いつも自分たちが口にしている野菜を、こうやって畑まで来て、見て、収穫すると、すごい!楽しい!と感じるでしょう。言葉よりも体験はやっぱり説得力があって、自然と“食べる”ということへの意識が高まるみたいです。私たちがつくる野菜に、子どもたちが愛着を感じてくれることが何よりうれしいんですよね」(丸山さん)。
値段、新鮮さ、見た目、ブランドなど、ふだん私たちが野菜を買うときに気になることはいろいろあるけれど、手にした野菜に愛着まで感じるのは、野菜の先にある「人」を知ってこそなんだろうな。収穫する子どもたちを見守る生産者さんの姿に、そんなことを思いました。
作る人と食べる人の信頼関係。それがパルシステムの産直
「パルシステムが考える産直というのは、いわば“信頼関係”なんですよ」。そう話すのは、産地ツアーに同行したパルシステム広報本部の高橋英明さん。生産者と組合員がお互いにリスクまできちんと理解し合い、対等に付き合うことをとても大切にしていると言います。
生産者は畑を公開し、栽培方法なども包み隠さず伝える。安心で安全な野菜を届けるためにどのような努力をしているのか、課題も含めて、いいことも悪いこともきちんと組合員と共有するからこその信頼関係なのです。そうして信頼関係が築ければ、一時の安さや利便性だけにとらわれずに、農作物をきちんと選ぼうという意識が私たち食べる側にも芽生えます。
「今、農家の数が減っているなかで、こうした交流の役割はすごく大きいと思います。消費者の野菜への関心が高まれば、生産者や産地の活力につながります。もっと言えば、日本の農業を守ることにもつながっていくんですよ」(高橋さん)
パルシステムと沃土会との付き合いは、もう30年以上。高橋さん、沃土会代表の矢内さん、前出の丸山さんの3人は、ともに産直をよりよいものにするために力を注いできた長年の同志であり、なんでも話し合える旧知の仲です。「ちょっとさ、白髪増えたんじゃないの?」「もう俺もおじいちゃんだよ」。土に触れながら、組合員も交えて楽しい会話が絶えません。
おいしい野菜を「選ぶ」ことは、野菜ぎらい克服への近道
お待ちかねの昼ごはんは、生産者といっしょに沃土会の野菜をふんだんに使った料理を提供するレストラン「ハナファームキッチン」で。子供たちが収穫した野菜と同じニンジンやトウモロコシが、様々な野菜といっしょにグリルされ、こんもりとお皿に盛られて出てきました。いただきますの直後、あちこちのテーブルから「おいしい~~!!!」と歓声があがります。
「沃土会の野菜は、なんというか、自然にいつでもおいしいんですよね。作られたうまさではなくて。土が育んだ味です」と、調理を手がけるオーナーの花里陽介さん。
野菜が苦手な子どもへの食べさせ方のアドバイスをお願いすると、少々意外な答えが返ってきました。「大事なのは、野菜そのものをきちんと選ぶことなんですよ。おいしい野菜をきちんと選べば、あとはシンプルな味付けで十分。素材の味がわかる食べさせ方をしてみてください」(花里さん)
産直を選択することは、おいしさにもつながっているのだとわかりました。
楽しいだけでは終わらない。産地ツアーで得たもの
パルシステムの産直は「なんとなくいいもの」、ではなく「食材を通じた信頼関係」。今回のツアーでは、野菜の向こうにはひたむきな作り手がいること、野菜を「選ぶ」ことがお互いの支えになることにまで気づかされました。家族で参加した組合員はこんなことを話してくれました。
「生産者さんの熱のこもった説明の間にも、子どもは早く収穫したがるので、もうとらせてくれないかなあと最初は少しせっかちな気持ちになりました。でも、よく考えてみたら、私たちに届く野菜に対して真剣だからこそ、語りたい話がたくさんあるんですね。ただ収穫を楽しむだけでは、その眼差しには気づけなかったと思う。本当によい経験ができました。うちの子は収穫したピーマンをお人形みたいに大事に抱えたままずっと離さなくて。何か感じるものが、きっとあったのだと思います」
北海道から沖縄まで、季節に合わせた最適な提携産地から農作物を途切れることなく組合員に届けるシステム=産直リレーが構築されているパルシステム。今回のような組合員向けの産地ツアーも、各地で行われています。今後もより一層こうした交流に力を入れていきたいと考えているそうです。
土と緑のにおいを吸い込みながら、大人は「産直とは」を真面目に考えて、子どもは全身で畑を楽しんで、野菜をつくる人の思いを心のどこかに残して。野菜の向こう側との距離がうんと近くなる貴重な体験となりました。
★パルシステムが取り組む“産直”の詳細や産地ツアーの詳細はこちらから
提供:パルシステム生活協同組合連合会
制作/都恋堂(構成・くりたしの 取材・横山さと カメラ・鈴木愛子)
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